謎のDNA「ブタコン」とは?


 それは脈々と受け継がれているモノなのです。
 敢えて教えられたものでもなく、あてがわれたわけでもなく。
 それでも知らず知らずのうちに着実に受け継いでいるのです。
 これは男の子であれば誰もが持ち合わせているものなのでしょうか?
 そう思わせるのには十分過ぎるほど確信に満ちているのです。
 それはまるでDNAの如く。

 その名も「ウルトラの遺伝子」

 誰にも何にも教えられたわけでもないのですが、ただ我が家の長男殿のマイブーム過ぎ去りし後の残骸が我が家には多々残ってはいました。
 「ソフトビニール人形」...ウルトラマンとか怪獣とかのアレですね。

 長男殿マイブーム時は、それこそ連日一日中ウルトラマンのビデオをエンドレスで観続けていたものです。自ずと詳しくなるのは必然です。
 ところが、次男暴はまだそれと認識するには幼すぎるのもありますし、ましてやTV画面のそれを彼にはただただ「怖いもの」と映るのか「怖い、怖い」と観ようとはしません。
 ですが、「ウルトラマンの人形」なのです。
 なにはなくとも「ウルトラマン」なのです。
 知る由もないはずなのですが「ウルトラマン」なのですよ。

 そのウルトラマンの人形と戯れる長男殿の言葉を彼は聞いていたのでしょう。長男殿が発したウルトラマンにはつきもののカラータイマーの音「ピコーン、ピコーン」をどうやらインプットしたようです。それ以来・・・

 恐らく彼、次男暴が発した私ら大人も認識できる初めての名詞だったと思います。


 「ブタコン、ブタコン」


 そう、それ以来、彼はウルトラマンを見ると「ブタコン、ブタコン!」と叫びます。彼にとって「ウルトラマン」「ブタコン」なのでした。

 というわけで、彼、次男暴くんが「ブタコン!」と言ったとき、それは「ウルトラマン」を指しているものと思って下さい。

 例えばウルトラマンショーのステージで登場したヒーローに向かい、会場の子供達が声高に「ウルトラマ―ン!」と叫んでいる傍らで、うちの次男暴はやはりこう叫ぶのでしょう・・・


 「ブタコ―――ン!!」.....って。


 周りの子の「なにそれ?!」って顔が思い浮かびますわ。