●May I smoke ?
タバコについて。。。
'01,8,17
written by cow-boy



 かれこれタバコを止めて12年になる。ということはそれまでは吸っていたという事だが。人によく言われる「よく止められたね〜」と。本人特に苦労したという覚えはない。ここまでくると”意地”あるのみ!
 禁煙の発端は特にどうということではないのである。本当に些細な事であった。それはお気に入りのジッポライターを出先でちょこっと置いたままにしておいたら盗まれてしまったからである。つまりそれでムカついて止めたのである。世の中そんなものである。気合を入れ、気負って臨んだ事が成功及び長続きした試しがない私。それまでも何度禁煙を試みた事か。その度に見事玉砕されている。何故禁煙しようと思ったのか、それは朝を気持ち良く目覚めたいからであった。起きた時にどうも胸がむかつき吐きそうになっていたのを、これはやはり健康にきっと良くないのであろうと悟ったのかどうかは定かではないが、折に触れ決心はしてみるものの・・・。そんな中数ヶ月続いたときもあった。バイク乗りである私は、ある時仲間と一緒にツーリングに出掛ける。山間(やまあい)を気持ち良く走り抜け気持ちもスカッと爽やかコカ・☆ーラ♪ってぇ時にその仲間はおもむろにタバコを取り出し火をつけ、美味そうに薄紫の煙を大空に向かって吐き出した。たったそれを見ただけなのにせっかく数ヶ月間続いていた禁煙防衛ラインが意とも簡単に突破されてしまった。次ぎの瞬間私の口には煙たなびく煙突が生えていましたとさ。やはり我慢はいかんのであった。恍惚と自己嫌悪の狭間をしばしゆらゆらと漂っていた私…。気負って始めたものは長続きしないという事を身をもって体験してしまったわけで、それ故現在迄禁煙が続いている原因が前述の通りあまりにも他愛もない事なので自分でも無性におかしく思っているのであった。一つだけ注釈を入れるとすればその原因またはきっかけとなった盗まれたというジッポライターは彼女から貰ったものであった。つまりプレゼントの品を盗まれたとは言え紛失したとなるとただでは済まないぞと。そこでタバコを止めたとなればそのジッポを普段見なくても何ら不自然ではないわな。そんな事が起因しているのかどうなのか、それは今となっては意識の奥底に封印されているのか覚えてない。こうなると今日まで続いている禁煙はひとつの自己防衛本能が働いた為に成し得たものなのかもしれない。

 そもそも世間の風潮は世界的な反喫煙である事は周知の通り。殊更都市部では可哀想なくらいに虐げられている喫煙者の人々。駅ホームは終日禁煙となり、飛行機等の乗り物も全面禁煙となり、オフィスビルにおいても・・・至るところで喫煙者の締め出しが行なわれている。仮に喫煙場所が設けられていたとしても隅の方のほんの申し訳程度に設置されている場所で、その真ん中に置かれている灰皿の周りに群がる喫煙者の人々。なんだか悲壮感さえ漂っているような気がする。
 今更ではあるがお断りしておくと私はタバコは吸わない、もとい、止めた。だからといって反喫煙主義でもない。肯定も否定もしない。それは以前は吸っていたわけであるし、タバコの美味さというものを十分承知しているからでもあり、むしろそんな美味いものを喫煙している人を羨ましいとさえ思う。というわけで自分自身の喫煙者の人々に対するスタンスは、吸いたい人は自分の責任の元で吸えばいいと思うし、吸わない人はそこまで毛嫌いし、虐げる権利はないとさえ思っている。そりゃぁ自分の近くで喫煙されると副流煙により自分自身も何本か喫煙したのと同等になるとは言われているが、それだけが身体の害になっているとは思えないしその他の要因はいくらでもある。都市部の道路を歩いてその近くを自動車が走ればその排気ガス・一酸化炭素などなどを吸っているわけだし、工場地帯の近くを通り過ぎればお世辞にも「あぁ空気が美味い!」などとは思わないであろう。但し、この様に喫煙者を擁護する発言をしてはいるが、その為にも最低限度の守るべきマナーは厳守してもらいたいものである。街中を歩いていても車を運転していても、とにかくタバコのポイ捨てが目に余るほど氾濫している。車の窓から火の付いたままのタバコがポイっ…。思わずそれを拾ってその車の運転席に投げ返してやりたくなる。歩きながらの喫煙でそのまま道端へポイっ…思わずそれを拾ってその喫煙主の背中に入れてやりたくなる。特に歩きながらの喫煙は世間でも言われている通りかなり危険な事である。指にタバコを挟んで歩いていると丁度タバコが幼稚園児の顔の位置にくる。実際擦れ違いざま顔などに火傷を被ったという事例もあると聞く。これから先も、もしそのまま喫煙を続けていきたいのであれば自分の首を自らの手で締める事はしないよう努めるべきではなかろうか。ますます世間の風当たりが強くなってしまうのではないかな。自分の活路は自分自身で見出さなくてはいけないぞと。

 とまぁそれらのことを差し引いたとしても、世界的な流れという事であまりに世間全体が神経質になり過ぎているのではないだろうかと、非喫煙者である私にすら感じられる今日この頃である。などと喫煙者を擁護する様なことを言っている私ではあるが、傍らでその世界的嫌煙の流れがこれからますます厳しくなる前に本人タバコをとっとと止めておいて良かったなと思う誠にサディスティックで利己主義な野郎であった。「皆の者ー!禁煙に苦しめー!苦しむのじゃー!」なんてぜーんぜん思ってないって。いや本当。
 そんな悠長な事をほざいている私ではあるが、現在でもやはりタバコの誘惑は続いているのだ。先にも述べたとおり、一度知ってしまった味は一生忘れられないのだよ。殊更にバイク・ツーリング先での一服時。それから酒の席上での事。これまでもかなりのピンチはあった。特に酒の席では飲酒による理性が喪失している為、度々誘惑が襲い来る。そんな中、3年ほど前のとある仲間との飲み会の席上で。。。某G女史に「一本くらい平気よ!吸っちゃいなさいよ!あたしのタバコが吸えないっつーの!(怒)<一部脚色>」と猛烈に詰め寄られ、つ、つ、ついに10年来の禁を破ってしまい・・・。自己嫌悪の固まりと化した私ではあったのだがそんな意識とは裏腹に肺一杯にその紫色の煙を吸ったのであった。そして思わず口走る「うめぇぇぇぇぇぇぇぇ」。今でもタバコを吸っていないという事はどうやらそれ一本で食い止めたようだ。そして二度と!二度と!二度と!!と心に固く誓ったのは言うまでもない。
 ある時、知らぬ間にタバコを一本指の間に鋏んでいる。自分の意識とは正反対にそのタバコが口元に近付いてくる。咥えた。傍らからライターを取り出し、火が灯された。そしてその口に咥えられたタバコに火がついた。一杯に深呼吸をし、恍惚の表情と共に口から煙がもわもわと放出された。そんな身体とは裏腹に意識は絶望と化していた。あんなに吸わないと誓ったのに〜。ついに長年の禁を打ち破ってしまった・・・。え〜いっ!こうなりゃあとは野となれ山となれ!すぱ〜ぷか〜・・・そして朝、夢で良かった〜と、安堵するのであった。月一位の割合で見るこの夢。やはり12年ほど禁煙は続いているのだが、かなり後を引いてるということだな。本人気付かないでいるものの、実はまだまだ闘いの日々は続いているらしいのであった。

 もし貴方が私と同じ酒の席につくような事があったとしても、決して、決して、決して!私にタバコを薦めないで貰いたい。恐らく理性を失っている私はホイホイと・・・・・・。お願いね!(懇願)
















良い事聞いたとか思ってんでしょ!?














だからダ〜メ!お願いね(はぁと)














ダ、ダメ、ダメだっつーの・・・














むむむ、なんのこれしきぃぃ














あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ














どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ














うきゃぁぁぁぁぁぁぁぁ














・・・・・断末魔の叫び・・・・・














・-y(^。^).。oO○プハァ














あっ・・・














おしまい・・・・・・・・・(T^T)ウルウル














・・・・・・・・・・・・人でなし〜














B a c k