『午前3時発(集合)シリーズ 第2弾!』
目指せ、乗鞍〜しらかわGo!!(白川郷)
'01,10,28
プロローグ。。。
 『白川郷って知ってますぅ〜?』
 それはある男の不用意な一言から始まった。
 彼からの携帯メールのその文字は私の好奇心を擽(くすぐ)るには十分であった。
 「白川郷」を知らない私は、おもむろにツーリングマップルで場所を調べてみる。聞くところによると、合掌造りとやらの古めかしい家屋が立ち並び、世界文化遺産にも指定されているところ、のようである。そんなこと知ったこっちゃない。走れりゃいいのさ。
 ん〜ペラペラペラ・・・むむむ?なんという事だ、「関東版」には載っていない。
 まさか「中部・北陸版」を引っ張り出す事になろうとは・・・。

 そもそも自分自身の不注意から今年6月に愛車を壊し、この夏場をその修復に費やしたと言っても過言ではない私。それも最終段階を終え、いよいよ試走段階へと移行していった頃合。自分としては近場でのお散歩がてらのあくまでも”足慣らし”で計画するつもりでいたのだが、心のどこかにこの夏シーズンの目標としていた「乗鞍」がチラチラと見え隠れしていたのは事実であった。さてはてどうしたものか・・・そこへ彼からの、そのメールに心が響いてしまったようだ。彼としては『まさか本気にするとは・・・?!』だったらしいが・・・それは大きな間違いさ。私を誰と心得おろうー!

 。。。というわけで、決行日の約3日前に突如決まった今回の武者修業・・・もとい、無茶修行の旅。果たして無事に帰還できるかどうか?!始まり始まり〜♪

1.おバカな(失礼)8人衆。。。
 今回のドタバタ道中記のキャスト発表!

役名 お馬さん 役柄
よっしー(♂) ZXR750 今回の『白川郷』の元凶。彼の一言から全ては始まった。あ〜んなこととか、こ〜んなこととか・・・。そして相変わらず眠そうだった・・・
かず♪さん(♂) BMW F650GS あまり良くなかった天気予報に決行か否かを決めあぐねていた私の背中をポンっと押してくれた人。携帯メールで「どーしますぅ?天気悪いみたいですけど、行かれますぅ?」「行きでしょう!」二つ返事でございました。
ばたやん(♂) はやぶ〜 行き先などの詳細を知らされる前に食い付いて、挙句の果ての驚異の『白川郷』に・・・後悔先に立たず。泣きっ面に蜂なばたちん...(大笑)
びっとまん(♂) 超黒鳥 ヘ(ё)ヘ こちらは天気概況などを告知しつつ冷静に状況を判断しつつ・・・結局ハマってしまったお笑い芸人。スタート直後には早速笑いどころを披露してくれはったでぇ〜。後ほどをお楽しみに
あっちさん(♂) ブラックバード(押し掛け仕様) なんといっても今回の話題を全部さらって行ったのは、何を隠そうあっちさんでした。詳細は後ほど(^_-)-☆
TAMAさん(♂) VFR800 午前3時発シリーズ第1弾で味をしめたか今回もご登場。果たして今回もあるのか?!あの秘湯巡りの苦行・・・
POCHIさん(♀) BMW F650 ご丁寧にお見送りだけでなくお出迎えまでして頂きました。どうしても心配だったのでしょう、途中経過までずっと見守って頂きまして・・・。
cow-boy(♂) GSXR750...13年前の 換装したRサスには本来ないはずのリザーバータンクが…。その固定場所に四苦八苦し、苦肉の策でガムテープぐるぐる巻きで無理やりシートレールに固定。が、あまりにガムテープの色がみっともないので、マジックペンで黒く塗りつぶし仕様。あまりのかっこよさに涙が出てきたぜ・・・

2.午前3時、談合坂SA。。。
 午前3時に談合坂SA集合ということは、遅くとも2時前には自宅を後にしなくては。つーことは、1時頃起き始めないと・・・ブツブツブツ・・・で、結局PM11時過ぎに床に入る。なんとか2時間弱は寝れそうだ<<<ドカーン>>>。
 そして、AM1時のけたたましいアラームで目を覚ます。普段ならば寝に入る時間だというのに・・・。さっさと身支度を整え、今回の行き先も行き先なので「完全冬装備」で臨む。
 自宅より愛車を押して通りまで出てからエンジン始動。暖機を始める。
 無事に走りきってくれよと祈りを込め、するすると走り出た。目指すは中央道・談合坂SA。いざ出陣!

 深夜の中央道は当然の事ながら交通量も少なく…というよりも全体の流れが速い。そして何よりも・・・まっくらけ。まだまだ眠っている頭での相模湖周辺の高速ワインディングはかなり恐ろしかった。(怖いんだったらゆっくり行けばいいのに…ブツブツ…)ツーリングがまだ始まる前に壁に貼り付きたくないのでほどほどに先を急ぐ。
 AM3時丁度位にSAに到着。バイクが数台見える。恐らくこんな時間にバイクで来る人達といえば・・・。既に4人ほど先着していた。うち1人は、わざわざここまで見送りに来てくれた[じぇんとるまん@XJR1200]。数時間後の仕事がなければ拉致っていくところを…(惜)。そうこうしているところにポツポツと2輪のエキゾーストノートが集結してくる。時間はAM3時ちょい過ぎ。そこへまたまた見送りと称してPOCHIファミリー3台が到着。[キク@ホーネット250]さんはそのままとんぼ返りで誰ぞのライブの為に仙台に発つと言う。[タマ@VFR800]さんはまぁ同行するだろうなとは思っていた。親玉[POCHI@F650]さんは次ぎのチェックポイントの諏訪湖SAまでの見送りとするらしい。
 というわけで、デフォルトの参加者6名に2名追加で次なる諏訪湖SAを目指す事になった。
 乗鞍スカイラインのAM7時開門に時間調整の為、AM3時半頃のんびりと出発する。そう、のんびりと、の〜んびりと・・・本線上に出るまでは・・・?!・・・プチッ☆、と音がした。あとの記憶はない。
見送り隊隊員[じぇんとるまん]...ご苦労であったオレってば、のっぺら坊じゃん…(汗)
怪しいぞ、言い出しッぺ[ヨッシー]

3.The ガス欠 〜恐怖の遠い道のり〜
 自宅を発つ時ガソリンタンクは、ほぼ満タン状態。談合坂SAにもGSはあるのだが、計算上余裕で諏訪湖SAまでは辿りつけることになっていた。談合坂SAでは[ばたやん]だけが燃料補給を行なった。それを横目に見ながら…まぁ彼の”はやぶ〜”をもってすれば楽勝で追いつくであろう…と、彼を置き去りにし、とっとと談合坂SAを後にした。この事が後々の大どんでん返し「天国と地獄の巻」となろうとは誰もこの時点では想像だにできなかった。

 談合坂SAまでもそうであったが、そこから先もかなり快適(?)なクルージングとなっていた。風もさほど考えていたほどに冷たくなかったし、愛車の調子もまずまずのようだ。気持ちが高揚しない訳がない。
 SAから本線上に出た瞬間に”サイボーグ009”ヨロシク、加速装置のスイッチがカチッ☆と入ってしまったようだ。せっかく見送りに来てくれた[じぇんとるまん]&[キク]さんとランデヴーする事なく、一気に振り切ってしまった。堪忍な〜御二方〜<(_ _)>

 快適に、そして決して無理する事なく、ハイウェイダンサーを気取る。右に左にお尻フリフリ♪あたりの空気が突然ツーンと冷たくなったり緩んだりする。いろいろな空気の種類を味わえるのが高速移動の醍醐味であろうか。
 順調に走り進み、いつしか愛車のトリップメーターは[180km]を超えた。愛車はリザーブなしで[200km強]は軽く走る・・・はず。全て順調予定通りだ。

 そして、「八ヶ岳PA(GSあり)」は過ぎて行った・・・

・・・はっ?!何やらエンジンに不調が?!

エンジンが急に吹けなくなる。ボコつく。
間もなくスローダウン。

え?!まさか?!
?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 急いでガソリンタンク横にある燃料コックに手を伸ばす。あるわけのない事態に余程焦っていたのかも知れない。なかなか燃料コックを探し当てられず...思わずチョークレバー(燃料コック付近にあり)を引っ張ったり・・・(汗)
 なんとかレバーをリザーブにする。すると不調だったエンジンが元気を取り戻す。ということは、やはり・・・?!

 先ほどから「?」やら「!」マークが横行しているが、それほどその時の本人にとっては青天の霹靂(せいてんのへきれき)だったのであろう。高速道路走行における20km/Lもの燃費悪化とは、一体全体どんな走りをしたら・・・。良い子のみんなは真似しないでね(^_-)-☆

 さて、エンジンが息を吹き返したところで何ら事態の収拾には至っていない。それまでの3桁ペースから急激なスローダウン。一番左の走行車線のそのまた更に左端を交通の妨げになっている自分を申し訳なく思いながらも80km/hペースでひたすら[約30q強]先の次ぎのSA(諏訪湖)を目指す。それまで我が物顔で掻き分け掻き分け追い越していった車群に今度は追い越し返されていく。いやいや、そんなことに構っている場合ではない。果たしてリザーブでそんな[30km強]もの距離を走り切れるのだろうか…。頭の中では目まぐるしく燃費計算が行なわれていく。『えっと、えっとぉ、普段は燃費15km/Lくらいだからぁ、2リッターあれば30kmは走れる…よね?よね?誰かそうだと言ってくれぇぇぇぇ』頭の中では、ガソリンなければただの鉄の塊と化した愛車を押し路肩をトボトボと宛もなく進み行く自らの姿が映し出されていた。

 突然の先頭のスローダウンに後続も困惑したのでないだろうかと思い、ハンドサインで『先へ行って!』と合図していたのだが追い抜いて行く様子もない。おかしいな?とは思いながらも、まぁこれだけスローダウン走行を続けていればいつかは追い抜いていくであろうと思っていた。しかしいつまで経ってもその気配もない。みんなもそろそろ疲れてのんびり走りたくなったのかな?と自分勝手に解釈することにして、ひたすら右手のアクセレーションに気を使いながら諏訪湖SAを目指した。
 [諏訪湖SA あと○○km]の看板を心の糧とし、その数字の減少を心待ちに走っているのだが、こういうときは得てしてなかなかその数字というのは減っていかなかったりする。そうこうしているうちに、談合坂SAの給油で遅れを取っていた[ばたやん]が、自分の追いついた事を誇示するように軽々と追い抜いていく。そして高速ではさすがに非力のF650GSを駆る[かず♪]さんまでもが鼻歌混じりで追い抜いていく。しかし、右手に心にブレーキを☆ここで開けたらThe Endは目に見えていた。そして。。。[諏訪湖SA あと500m]と同時に今までの鬱憤を晴らす様にアクセル・ワイドオープン。そのまま一目散でSAのGSへと滑り込む。あらあら、するとみんなも続いてGSへとなだれ込んでくる。なるほど、揃いも揃ってみんなでヤバかったのねん。さすがに高性能の影にはそんな代償があるわけっすな。そうなの!高性能なの!!・・・ちなみに私のGSXRは13年もの。しっかりと熟成され・・・(ワインかいっ)。
 何はともあれ、これで路肩を押してくる事もなく無事にSAまで辿り着けた。ホッとした瞬間だった。
 『結局最後はBMWの天下っつーことかな?(笑)』と不敵な台詞は、[かず♪@BMW F650GS]さん。『そういえば途中で[びっとみゃん]がスローダウンしてたっけ…』え?!もしかして不時着したのか?!そういえばまだ到着してないみたいだ。心配と期待(爆)が入り混じり、きっと彼の事だからお笑いネタでも仕込んできているのだろうと・・・(笑)。

 ここで、彼[びっとみゃん]談。この時の模様をちょっと頂いてきて。。。
 (以下、びっとまん@スーパーブラックバード)

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 今回ほぼ満タンの状態で家を出撃(前日に20kmばかりの走行)。
 談合坂SA出発時にはメーター読みで6分の5程度の残量。(さすがツアラー、燃料メーターも付いてるのよねん)
 次の停車駅・・やなくて休憩ポイントは諏訪湖SA。約130kmの走行なんで余裕やろう!って思って出発。しか〜し・・・その巡航速度が「ひゃ〜!(嬉涙)」って速度。面白いくらいに目盛が減ってまう。。。(大汗)
 途中「双葉SA」の文字が見えたんで、ここで・・・と思ったけどその時の残量はメーター読みで約半分。「いけるやろ!」って思ったのが不味かった。
 その後、目盛に加速がついたようにひとつ、またひとつとあれよあれよで目盛が減っていく・・・(この時の燃費は何Km/L??)流石に心配になってきたさ〜。場所が場所だけに不安で一杯だったさ〜。
 そういやこの前平日ツーに参加した時、某女史が何の前触れもなく入った「八ヶ岳PA」に給油スタンドがあったのを思い出した。
 PA侵入直前、燃料警告ランプが点灯。(ブラバにはリザーブタンクがない代わりにこのランプが点灯。。。)「おっしゃ!ジャストで給油!!(喜)タイミングばちり!!(嬉)」

って思った矢先・・・「開店時間は0700AM」の看板・・・(涙&汗)この先諏訪湖SAまでまだ50kmは確実にある。「こうなったら徹底した燃費走行したるわい!」って腹をくくった。。。
が・・・やっぱ燃料警告灯が赤々と点灯させて走るんはマジで涙モノやった。上り坂になると後ろを向いて息を「ふ===!!」って吹いたり(嘘)、下り坂になるとクラッチを切って惰性走行したり(誠)。

 でも、おんなじ思いをしてた人があんなに居たなんて。。。(謎)

 しかし本来、(超)高速ツアラーとして誕生してきたブラバの燃費ってどっちがホンマモンなんかねぇ。。。

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4.いよいよ突撃、乗鞍への侵攻。。。
 のっけから激しい神経戦を展開してしまったメンバーは、諏訪湖SAで放心状態。しばしの休息を取る。目の前のハイウェイ温泉の看板が光々と輝いている。もう疲れたからここで温泉にでも浸かって、まったりしていようか・・・冗談とも取れないようなもしかしたら半分は本気が混じっていたかもしれないが、とりあえず空からは雨もまだ落ちて来ないようだし先へ進んでみようか。
 さてさて、ここ諏訪湖SAまでわざわざ見送りに来てくれた[POCHI]さん。ここでお別れ・・・なはずもなくこのままもう少し見届けるそうだ。それはまるで最初から決まっていた当然の事のように接している面々。そうと決まったらとっとと先へ進もうか。時間は5時半。まだまだ空は夜のままではあるのだが、そろそろ明けていく気配。不思議な事にさほどの寒さは感じない。これも完全冬装備の恩恵か。

 一行は松本ICで中央道を離脱。R158を一路[上高地・乗鞍]方面を目指す。峠道に差し掛かる頃にはすっかり朝を迎えていた。空は真っ白な曇り空ながら、まだ泣き出す気配は見せていない。夜道の間は気付かなかったが、辺り一面紅葉真っ盛りであった。まさしく木々が赤に黄色に燃え盛っている。途中、[道の駅風穴の里]へピットイン。トイレに掛け込む一行。あたりはシンと静まり返っている。まだ朝靄が煙っている。自分が一体今どこにいるのか、なんだか寝ぼけた頭では現実の認識が甘かったりしている。
「道の駅 風穴の里」にて。。。
この辺りで夜から朝に変わった。
気付くと周りの木々は燃え盛っていた。
あぁ、秋を実感。

 携帯電話に着信履歴があった。この日の隠れキャラ、もう1人の影の参加者。この夏に転勤で東京を離れ、次ぎなる人生のステージを名古屋とした御犬様。[ぱとらっしゅ@ZX-11]くんにアポを取っていた。白川郷は東京よりもむしろ名古屋の方が圧倒的に近い。故に無条件で「来い!」。で、本当に来てくれるとは思ってはいなかったのだが・・・言ってみるもんだ(笑)。
 彼とは白川郷の道の駅で待ち合わせになっている。当初は「10時位」と言っていたのだが、まぁそれは無理だ。悪いがとっとと諦めた。電話で11時目標で辿り着く事を伝える。さぁて、それすら・・・

 さて出発。奈川渡ダムの分岐で、R158から県26へと分け入り、そして新奈川温泉付近より[上高地乗鞍林道]へと分け入って行く。周りの景色は紅葉真っ盛りで絶景なのだが、路面は舞い散る落ち葉で埋め尽くされている。注意深く無茶をしなければ、そう滑る事もないのだが、やはり気持ちの良いものではない。恐る恐る先頭の私がちんたら進んで行くと、それに痺れを切らした[かず♪]さんが、スパッと抜き去って行った。遅れまいとビビリながらも後に続く。ふと、ミラーを見ると自分の後ろには[ヨッシー]が続いている。。。ん?待てよ・・・こ、このシチュエーションって・・・!?あの日あの時・・・そう、今年6月、路面の轍に足を取られ自爆☆した時のシーンに酷似していた。道の雰囲気もまさしく”まんま”。走りながらこの状況を認識し愕然とした事は言うまでもない。これはヤバイぞっ、というわけで、その時の二の舞になるまいと細心の注意を払い無事にやり過ごす事だけに神経を降り注いだ。

 途中、見晴らしの良い橋の上で小休止。山深い周りを紅葉に囲まれているその場所はひっそりと静まり返っていた。通り過ぎる車・バイクもほとんどなかった。「火の用心」の大看板の真下で[あ]の字さん、[び]の字さん他。。。地球に向かって思いっ切り「消火活動」に励んでいた。そして[POCHI]さんには思いっ切り「男の特権(^^)v」をデジカメに記録されていた。身軽になった彼らは足取り軽やかに残りのワインディングを駆け抜けていったであろう。
上高地乗鞍林道途中の絶景。本日のお薦めメニュー。バイキング形式となっております。
(バイクの進行形=バイキング?!(爆))
紅葉燃え盛る山間の真っ只中

 県84にぶつかったら左折、いよいよ[乗鞍スカイライン]方面へ進める。時節柄そして時間帯もあるのだろうか、ほとんど他車の姿もなく自分らのペースで気持ち良く走れた。フォーメーションは先ほど同様、ひたすら先頭を進む[かず♪]さんを道標に後ろの[ヨッシー]を従えてコケないよう細心の注意を払いながら進む。

 いよいよ森林限界を越えた辺り・・・そこから見える地平。。。曇り空ながらもその隙間より差し込む微妙な日差しが、雲海に浮かぶ山々の頂きをおぼろげに浮かび上がらせていて、それが絶妙のコントラストで投影されている。まるで水墨画のような、なんともいえないこの世のものとは思われない神々しささえ湛えていた。これは雲一つない快晴ではお目に掛かれない光景であったろう。結果オーライ。
 それまでは相変わらずひたすら路面しか見ず目が吊り上がっていたのだが、突如出現したこれら

<<神>>
を前に、可能な限りスローダウンせずにはいられなかった。いやぁ〜朝っぱらから良いものを見せてもらい、とても心が洗われた気がする。(合掌)

 さて、頂上のPAに辿り着いたものの、土産物屋はおろか自販機すら稼動していない状況。考えてみたらあと数日後にはこのスカイライン自体が店じまいとなっているわけであり閉店準備が既に始まっているのであろうか。おまけに風も強くその閑散とした風景も手伝ってか、止まっているとかなり寒かった。長居は無用とばかりに早々に下山した。正直なところ、内心あの見晴台にまででも登ろうかとも思ったのだが・・・時間の都合上?断念した(ほんまかいな?)。
乗鞍スカイライン頂上PA、「畳平」
あそこに見えるのは、なんとか岳(爆)。標高2,800mってか。
PA内の売店は開店前か、既に店じまいか・・・。
3日後にはここも冬季閉鎖に入る。
この日は風が強く、体感温度は低い。

 温かい缶コーヒーを求めて下山途中のPAに立ち寄ったのだが、そこも自販機は冬眠準備に入っていた。またも空振り。時間は丁度飯時。ひもじい…。飯処を捜し求めて平湯側へ下りて行く。時間は9時頃。やっと店に辿り着いた。空腹に耐え兼ねて、白川郷で待つ[ぱとら]くんには悪いと思いながらも目の前の餌の誘惑には勝てなかった。そうそう、悪いなぁ〜とは思いながらも結構そこでの〜んびりしてしまったことはここだけの内緒の話である。<(_ _)>
 温かいものを腹に収め、みんなヌクヌクで出発の準備を始める。
 何気に今下りてきた乗鞍スカイラインの[道路情報案内板]を見上げる。

 [凍結注意!二輪車通行止め]

。。。って、オレら今、そこを下ってきたじゃん・・・

 ・・・・・・・見なかったことにしよう・・・・・・・
 さ〜〜〜て!ここからはいよいよ高山を経由して目的地の『白川郷』までは一っ飛び・・・の予定。
下山途中のPAにて・・・周りの幻想的な絶景に魅せられて・・・
・・・しかしここにも稼動している自販機もなく
絶望感に打ちひしがれている面々
現在[見届け隊]任務遂行中のPOCHIさん
あ〜〜〜、やってもぉ〜たぁ〜(^_^;;;
The ヤラセ!

5.ある〜日、森の中ぁ〜♪。。。
 R158を西へ高山市街を目指す。やはり市街は渋滞が目立つ。慎重に車間を抜けていく。案内板を注視しながら右は左へ折れながらさっさと市街は突破したい。信号待ちで車群の先頭に出る。みんなもそれに続く。青。走り出す。ミラーを見やる。ん???後ろの数台あとからが続かない。というか明らかにあれは止まっちゃってるな。バイクはブラックバード。ということは・・・  少し先の路肩によって後続を待つ。少し経ってからやってきた。聞けば[あっち]さんのバイクが突如止まってしまったらしい。なにやらトラブルの臭い…ワクワク。その時はただ単純にエンストしただけかなと、原因・症状などは敢えて尋ねなかった私であったが、まさかその後、あ〜〜んなことになるとは・・・!?
 さてとっとと先を急ごう。市街地を抜けてしまえば、あとはワープ!R158をひたすらトレースし、[荘川]を過ぎたあたりでR156に合流し[御母衣湖]の湖畔を舐めて北上し・・・。

 道は比較的空いている。またしても快適なクルージングタイム♪天気もどんより曇り空ながら雨はまだ落ちてこない。ただ確実に午後からは下り坂らしいのでとにかく今を楽しもう

 真っ直ぐな道。ふと遥か前方傍らを見やる。

 ん?!なんだあのモコモコした黒いものは・・・?!

 そのモコモコは道路前方を右から左へと横断していった。

 なに?なに?サル?シカ?ゾウ?キリン?カバ?

 あ、[びっとみゃん]のご子息だ(笑)












・・・・・・・・・・・・・・⊂(^(工)^)⊃・・・クマ








 なんか得しちゃった気分。だって初めて見たから、ツーリング先でクマなんて。

6.白川郷の忠犬。。。
 あとは白川郷までは目と鼻の先。時間も大分というか、とてつもなく遅れている。初期の約束時間からは2時間押し。修正時間からは1時間押し。つまり12時着。
 お犬様は待っていてくれてるだろうか・・・。R156の[萩町]での分岐点。約束の場所は[白川郷]は白川郷でも「道の駅」。しかしその分岐であまりにも[白川郷]が頭にこびりついていた為に[白川郷⇒(右)]の案内板の言う事を聞いてしまった。なにやら道幅が狭く観光客でごった返していた。名物?の萱葺き屋根の古い家屋が軒を連ねていた。なんだか様子が違うよな。チェックするとやはり180度方向違い。右ではなくて左へ曲がるのが正解。さぁUターン。そうそう、言い忘れていたがどうやら前述のトラブルの臭いは随分と、きな臭いものであったようだ。[あっち]さんのブラックバード号はなにやらバッテリー系トラブル(ACジェネレーター)のようだった。セルモーターが回らない。各部チェックによりバッテリーの電量不足のようだ。そのあっちさん、私がミスコースを調べる為に路肩によって停車したところ、どうやらそこが目的地と勘違いしたのか、事もあろうかエンジンを切ってしまったのだ。さぁ、あとはもうお分かりであろう。そう、あの巨体を押し掛け。出動!人力セルモーターは[びっとまん]。ミスコース修正に必死の私は、後は任せたよ〜とばかりにその場を非情にも、とっとと引き返していった。あとから聞けば、観光客が周りを取り囲む中、[びっとまん@セルモーター]は息せき切って押す♂押す。[あっち]号が目覚めるか否かは[びっとまん@セルモーター]の”押し”に掛かっているのだ。周りの同情やらなにやら入り混じった数々の注目を背中に浴び、お笑い芸人としては願ってもない舞台設定となったこの状況下にありながら、誠に残念ながらこの時の[びっとまん@セルモーター]には観客の笑いを取る余力はもはや残っていなかった。無事にエンジンが目覚めた時、まさに彼は肩で息をするほどに消耗しきっていたのであった。そしてそれはセルモーター稼業の始まりであった。

 というわけでミスコースを修正し「道の駅白川郷」には申し訳なくもPM12時頃の到着となった。御犬様はあまりの長時間の待ちぼうけに銅像になっていた。渋谷にあるようなヤツね。
 ま、くだらない冗談はさて置き、やっとの思いで到着した白川郷。そこで私自身は御犬様=[ぱとらっしゅ]くんとはかなり久方ぶりの再会。なのに何だか不思議な感覚。一言二言再会の挨拶を交わしたら、そこから一気に、まるでそれまでの普段の日常に戻ってしまったみたいだ。そこからはいつものようなスタイル。殊更特別な事もなくただただ普通に談笑する。そこには実際の距離感など微塵も感じさせない。むしろいつでもそこにいる、振り返ればヤツがいる・・・。

 さて、昼時だ。。。にしてはなんだかそこの道の駅建物内が昼間だというのに薄暗い。お馴染みソフトクリームを求めて店内に踏み入っていったであろうPOCHIさん曰く、停電により自販機等も含めて一切ストップらしい。おいおい、またしてもひもじい思いか・・・。外では焼きトウモロコシなどが売られていたのでとりあえずそれで小腹を満たした。
 しばらく小休止しているとやはり懸念していた天気が一気に崩れ始めた。雨降り。それもかなりハードに。予想していただけに、あらら・・・とは思ったものの覚悟はできてるぜ。その後のルートも予定通りに消化していこうと、この時は心に固く誓っていた。そう、この時は・・・ね。

 かなりの降雨に、来た道を引き返し東海北陸道から名古屋経由の中央道で帰ろうかとの案も出たのだが、、、というか、是非そうしてくれぇぇぇとの懇願を跳ね除けていざ出陣。[ぱとら]くんも途中まで一緒にこの苦行を共にすると言ってくれた。ここで8台編隊から一時9台編隊となった。そうとなったらこの雨は当分止みそうもないようなので先を急ごう。各人レインウェアを着込み身支度開始。防水対策を施し銘々愛車のエンジンを掛けていく。そう、キーをこうして回し、ここのセルボタンを押せば、あ〜ら不思議!キュルルルル・・・ブロロロロ〜ン♪って。。。そこでみんなとは違った段取りを踏む約1台。

 キーを回して・・・ギアを2速に入れて?・・・せーのっ!?ダダダ・・・!(足音)。。。って?!またしても注目を一身に浴びた事は言うまでもない。お、おいしすぎる・・・

 暫定ルートは往路で通過してきた分岐点の[萩町]へ引き返しそこからR360を「河合村」経由で再び「高山」を目指す。

 濡れ落ち葉の敷き詰められた地方の3桁国道。そのあまりの楽しさに涙がちょちょ切れる。ここでやっちまったら・・・先ほど出没のクマさんと生活を共にしなければならないであろう。そうならない為にもここは慎重にぐねぐね道をトレースしていく。
 途中どこでだったか忘れたが、[ぱとら]くんが分岐、彼の犬小屋のある地、名古屋へと帰巣していく。お互い手を振り合いまたいつかどこかでの再会を心に誓いつつ、彼は隊列を離れていった。Good luck!
 「角川」でR471に乗り換え「飛騨細江」でR41へと入りあくまでも「高山」を目指す。そう、あそこのあの道路標識を見るまでは・・・。

7.色即是空・・・修行僧の苦行。。。
 ここからのデフォルト・ルートは、高山市街を再び抜け、R361を「木曽福島」方面へと踏み入り「野麦峠」または「地蔵峠」を越え「権兵衛峠」に分け入り、「中央道・伊那IC」をスルーし、「諏訪IC」から中央道入りの当初の予定。まぁこれはちょっと欲張りルートなのだが。

 血気盛んにも白川郷を発つ時、天空から叩き落されているこの雨降りという現状を顧みず、とにかくこの計画は実行されなければ単なる「大風呂敷」であったと見なされてしまう事を懸念し・・・というよりも自分自身に対しての意地だったのかもしれない・・・いや、意地以外の何ものでもないであろう・・・任務遂行あるのみー!で、「雨降り」「空腹」「疲労」「寒さ」「睡魔」・・・一体全体このツーリングって楽しいのか?!いや、今の自分の置かれている状況というのは世間一般から見れば決して楽しいという範疇には入らないと思うんだよなぁ…。ブツブツいろいろな事を考えながら気を紛らわしてひたすら走り続けた。ここまできたらそうする他しかたがない。自分自身の事、他のメンバーの事を案じながらこの局面を乗り切ろう。人生山あり谷あり・・・人生ゲームかってーのっ

 R41をひたすらに高山市街へ戻っていく途中、今思うと見てはいけないものを見てしまった。しかしその時の自分らにとってのそれは、まるで”天使様”であったようだ。

『平湯・松本方面 左折←』

。。。それは「三川」から左折県89を進み、平湯経由松本へのショートカット道
 心が揺れた。
 大いに揺れた。
 早朝...もとい、深夜からの走り尽くめ、疲労困憊、この悪天候、それからなによりも時間経過(恐らくこの時点でPM3時前)、云々。このまま意固地になって自らの意思を貫き通したところで、その先に待っているものはもしかしたら取り返しのつかないものかもしれない、そう思うようになった...もとい、そう思うようにした。その案内表示板前の信号待ちの時、隣に並んでいる[かず♪]さんにそれとなく尋ねた。どうやら[かず♪]さんもそのように思ってくれていた。とりあえずその信号を「左折」し、路肩に停車し、ルートの確認をした。やはり帰路の事を考えるに、その「左折」は実行されるべきだった・・・。
 かくして当初の「無謀計画」は起動修正され、「安全」が選択されたのだった。とはいうものの、その状況を鑑みるに、決して「安全」ではないよなぁ…。

 県89は、往路でのR158に合流する。そのままR158を「平湯・松本」方面へ進む。 やはり今現在、最大の敵は・・・「睡魔」。眠気覚ましのヘルメットの中は大カラオケ大会♪歌えや踊れ〜♪

 アリャリャ\(^o\) (/o^)/コリャリャ

・・・こうでもしていないと、睡魔に負けてしまってどうもスイマせん(寒っ)・・・なんてことになったら洒落にならない(オヤジギャグにはなるが…)。ひたすらにエンドレスで歌いつづけなければ・・・!歌詞に詰まったり、途切れたりすると・・・(-.-)Zzz.。o○ あっ、いかんいかん・・・。自分がこうだということは、みんなも恐らくそうであろう。ここは急いで休憩地点を見つけよう。
 「平湯」のGSにとりあえず給油の為のピットイン。
 その際、何気に見上げた”乗鞍スカイライン”の[道路情報案内]の電光掲示板が目に入った。またしても目に入ってしまったんだなァこれが。

 [積雪・通行止め]

 ふぅ〜〜〜ん、そういえばさっきそこを通ったんだよなぁ〜オレらって・・・
 えーいっ!いちいち驚いてられるかーっ!
 ヤケである事に間違いはない・・・

 そこのGSからほどなく進んだところの休憩処でかなり遅い昼飯ターイム。恐らくPM3時前後の事だったと思う。夕方に近いその時間帯では食いたいものはほとんどが売り切れ。あぁ、ごはんものは皆無だった。全くもって今回のツーはホントにひもじい・・・。私はうどんをすすり、しばし茫然自失、幽体離脱。他のみんなを見渡すと、その口からはエクトプラズマがぶら下がっていた(ウソぴょ〜ん)

 もうこうなると、あとは野となれヤマトナデシコ七変化!(うっ...どうしたんだろぅ...私ってば)、一刻も早い帰還を目指すようになっていた。そいうことから通常一般的に考えると目の前の、旧態然とした険しい山肌をトレースしていく「安房峠」と、それらを直線的にバイパスされている「安房トンネル」という二つの選択肢を考えると、自ずと「安房トンネル」が必然的に導き出されていく結論となるであろう。ところがどっこい、一行は濡れ落ち葉が敷き詰められている、かなり細く曲がりくねった「安房峠」へと敢えて足を踏み入れていったのであった。
 それは何故か?!



「温かくて直線道路のトンネル内走行は絶好のお昼寝ターイム!になるから...」



 恐らくその頃は雨も小休止であったろう。時間もPM4時は回っていたかもしれない。
 夜の帳が下りる前に峠越えをしてしまおう。
 濡れ落ち葉に足を取られぬよう気をつけよう。

 この苦行がいつしか悟りの境地に・・・・・・ならんな絶対に。
平湯の食事処で束の間のヌクヌク...そしてまた試練は続く…
あの見える標識を右折。安房峠方面へ...

 途中、雨が降ったり止んだりしていたものの、一行はとりあえず無事に「安房峠」を越え、そのまま往路で通ってきたR158を「松本IC」に向けてひた走った。そして「松本IC」より「中央道」へ乗り入れ。次の休憩ポイントを「諏訪湖SA」に定め、今度は往路でのヘマはしないよう注意しながらの走行。
 ところどころはやはり渋滞中。雨中の擦り抜けはかなり神経を擦り減らす。時折落ちてくる雨粒がヘルメットのシールドを濡らす。スロー走行になると自ら吐く息が、シールドに目隠しをする。ま、まえが見えん・・・。仕方なしにシールドを開ける。するとほんの少しの雨粒がまるで銀ダマ鉄砲の弾のように強烈に顔を射たれる。そんな攻防戦を繰り広げながらも全員無事に「諏訪湖SA」に辿り着いた。
 とりあえずみんな元気そうだ。きっと電球の球が切れる寸前一瞬の明るさ・・・そんなところであろう。
 バッテリートラブルを引き摺りながら同行していた[あっち]号も何とかここまで辿り着くことができた。エンジンを切ってしまうとまた人力セルモーターが必要となる為に駐車中もエンジンを切らない。エンジンはカブリ気味。そのうち不用意にアクセルを煽ったら・・・・・・ストール(止まった)・・・ぎょぇぇぇぇぇぇぇぇ

出動!!
ダダダー・・・ハァハァ
ダダダダー・・・ハァハァハァ
ダダダダダー・・・ハァハァハァハァ

・・・明らかに掛かりが悪くなってるよね〜
・・・そろそろバッテリーの残電量も底をつく頃だよね〜
・・・確かにヘッドライトも暗いよな…
・・・ほ〜ら、頑張れ頑張れ![びっとみゃん]!
・・・しっかり押せぇー![ばたやーん]!!
 応援団は無責任〜♪

・・・完全になくなる前に行っちゃった方がいいよ〜!
 かくしてみんなより一足お先にSAを後にした[あっち]号であった。
 無事を祈る!
 さぁ我々も先へ進もうか。次なるチェックポイントは「談合坂SA」。
えっさほいさのさ〜♪
・・・なんて悠長なものではなく、みな必死の形相!
これが毎回・・・(^_^;;;

8.あぁ無情?!。。。
 「談合坂SA」を後にした一行。[あっち]号は止まっていないかな、と路肩に注視しながら走行する。ほどなく左車線をびくびく感を背中に漂わせながら慎重に走行を続けている[あっち]号を発見。まぁ、あの調子ならば大丈夫だろうと非情にも追い越す
 高速移動中、ところどころで雨に打たれはしたが概ね順調に進んでいく。すっかり夜となった中央道は外灯もあまりなく視界不良。おまけに路面は濡れている。そして結構ワインディングしてるんだなぁ、これが。白線を踏まないよう、右へ左へと慎重に車をかわし、目指すは「談合坂SA」。さすがに往路での暴走はこの状況下では無理というもの。おかげで燃費に優れ、あのハラハラドキドキ感を味わわずに済んだ。そして無事に最終チェックポイント到着となった。
 帰路の「諏訪湖SA」でもそうだったが、ここ「談合坂SA」でもバイクは我々だけのようだ。本線上でも見掛けなかったな。そりゃそうだ、今日は天気が崩れるよって言われていたのだから・・・。

 みんな続々とSAに入ってくる。バイクの駐車スペースにみんなお行儀良くバイクを並べ、エンジンを切り、小休止

 [あっち]号、ピットイン。

 「ダメダメ!止まっちゃダメー!そのまま行った方がいいよー!」

 休憩するどころか、止まる事すら許されず、休憩しているみんなの前をスルーしてそのままその地を後にしたのであった。
 またしても話題総ざらいの[あっち]号。
 おいしすぎるぞ![あっち]号。
 心なしかテールランプの灯りが心許なく力なく辛うじて光っていたのが印象的だった。
 バッテリーよ!彼が無事に帰宅するその時まで命尽き果てることなく頑張ってやっておくれ(合掌)




 「きっと、SAの出口あたりで止まってるんじゃな〜い?!」
 「今頃押して、ここまで戻って来たりして・・・」
 「もしかしたら、路肩でオレ達来るの待ってたりして・・・」

 おいおい、チミ達・・・
・・・・・ははは・・・・・(あぁ無情)

9.缶コーヒー。。。
 [あっち]号がそのまま走り抜けていったしばらく後に「お見送り隊」改め「お出迎え隊」の[POCHI]さんが逆にみんなに出迎えられて無事に到着した。残念ながら彼女は、スルーしていった[あっち]さんの”お出迎え”をする事は叶わなかった。
 まぁ、それは次回への宿題ということで(^_-)-☆

 [かず♪]さんがみんなに振舞ってくれた「缶コーヒー」の温かさが腹に染みる。
 寒い、そりゃぁ寒い。でも温かい。これを充実感というのだろうか。行程的にはかなりショートカットはしたものの、全員(…?)がとりあえず無事にこの最終チェックポイントの「談合坂SA」で顔を合わすことができたのだから。もしかしたらこの「缶コーヒー」を飲む為に今日の苦行耐えてきたのかもしれないな。

 さぁ、最後のもう一踏ん張りだ。おもむろに愛車GSXRに歩み寄る。13年ものの、まさに熟成された...ポンコツのご老体。しかしその老体ムチ打って、今日はよくぞ耐え、そして頑張ってくれたぞ!最新機種がナンボのもんじゃぁー!まだまだイケルでぇー!
 愛しい我が子でも見るような温かい眼差しを愛車に向けたその先に映ったものは・・・

 「あっれ〜〜〜?!ハンドルのウェイトバランサーが・・・ない。」

 両ハンドルの一番端に付いている重りの事である。左側のが脱落していた。
 「あらららららら・・・。走行中の脱落だったら後続は危なかったなぁ・・・(汗)」
 「これだからポンコツはいやだよなぁぁぁ!」

・・・おいおい、さっきまでの労(ねぎら)いの言葉はどこへやら・・・

 そうそう今更なのだが。。。  降雨の中、白川郷を発つ時、我が愛車のGSXR号は恐らくリーク(漏電)によると思われる片排(つまり1気筒死んでるのね)に陥っていて、あわや止まってしまいそうな事態に顔面蒼白だった事はここだけの話である。

10.また逢う日まで。。。
 全員が無事に「談合坂SA」を後にし、それぞれの家路へと散っていった。
 今回のツーリングの大命題は、そのルートがどうあれ「日帰り800km」であった。最終の「談合坂SA」での計算によると私は微妙なラインであった。しかし、各人には「もし800kmに満たない場合は、遠回りするなり近所を周るなりしてノルマ達成を厳命とする!」との通達をした。それを”まさか”実行してくださった[POCHI]さん。貴女には”努力賞”として、次回「午前3時発シリーズ 第3弾」への”特別ご招待券”をお贈りしたい。

 参加者全8名。それぞれの胸中に去来するものはなんであろうか?
「おいおい、聞いてないよ〜!こんな無謀な計画?!」と一目散に食い付いたは良いが♪針が喉から取れないよっ♪(およげ!たいやきくんの節で...)の[ばたやん]。しかし、きっと彼は性懲りもなく再びやってくるであろう。ほ〜〜ら、また走りたくな〜〜〜る、走りたくな〜〜〜る

●「結局最後はBMWの天下っつーことかな?(笑)」の名言を残し、落ち葉舞い散る峠道で右に左に踊っておられた[かず♪]さん。「休みたければ速くなれ!」の教えを実行すべく果敢にもトライしたのだが、みんなが速いと休めないんだよな…。([POCHI]さんに感謝。)

●きっと、のっけの冷や汗タラタラ事件と、人力セルモーター役で果ててしまわれたことであろう[びっとみゃん]選手。白川郷への道中で”ご子息”とのご対面は涙なくしては語れない・・・いや、特に意味はないから気にせーへんといて。

●ZZZZZZZzzzzzzz..........。o○ 寝るなぁー!起きろぉー![ヨッシー]!。・・・せめて走っている間だけでも・・・(笑)

●そうだった・・・⊂(^(工)^)⊃といったら絶対こっちだと思っていた[TAMA]さん。そうか、そう思わなかったのは、この日”ヒゲ”剃ってすっきりしてたからだな(納得)。

「見送り隊」〜「見届け隊」〜「出迎え隊」まで一貫した職務遂行、誠にお疲れ様。これはまさしく究極ですな。800km走破も”私の代わり”に完走して頂いて感謝の極み。またお願いしたいものだ。

Special Thanks![ぱとらっしゅ]くん。まさか本当に来てくれるとは思わなんだな。辿り着けば、そこにはいつものキミがいた。東京〜名古屋の距離こそあれ、その気になればいつでも逢える、お陰でそんな可能性を見出すことができた。今度は「知多半島」?!オーケー!いつでも来ーい!・・・ってこっちが行くのか…(大汗)

●それから純粋なる「見送り隊」の隊員、[じぇんとるまん]に[キク]さん。常軌を逸している集合時間にも関わらず、ご足労頂き感謝の極みである。ということで、次回は「見送り隊」ではなく是非「見送られ隊」での参加として、共にこの「苦行」を味わってみようではないか。
え?嫌?
あら残念・・・


ということで、以上!















あ、すまん。。。

え〜、[あっち]さん。
[あっち]さんのご活躍は、本編多岐に渡って紹介されているのは周知の通り。
言わば今回の「主役」of「主役」
いや、冗談はさて置き、無事に自宅に辿り着いてホント良かった良かった。愛車の不調は心をどこまでもブルーにされる。次回の雪辱戦に期待する。

エピローグ。。。
 というわけで、突如3日ほど前の些細な談笑から始まった今回の無謀とも思える企画。いやいや、無謀、無謀、とは言っているが全然そんな事はなーい!と自負している今日この頃。まだまだ先へ先へ、奥深く、行く気マンマン

 突然の告知にも関わらず7名の同行の方々と2名の方々のお見送りを頂き、そして何よりも約1匹の御犬様との途中合流・・・こんなに嬉しい事はないと感謝の気持ちで一杯である。  みんなでワイワイ行く久方ぶりのツーリングに、道中の「苦行」も「苦行」と感じることなく(?)お蔭様で無事に乗り切る事ができた。

 また行こう!

 また共に味わおう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この「苦行」を・・・

 いつしかこの「苦行」が「苦行」と思われなくなったとき

 きっと、それらは「快感」となるであろう・・・(悟)


 そうしたらそこからまた更なる「苦行」を追い求めて・・・!















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オレってば、「苦行フェチ」かいっ?!


 そう、みんなもきっとそうに違いない・・・・・・ね! ば〜たちんっ(^^)v

おぉら掛かったぁ!!(;`O´)o/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ >゜))))彡 ←[ばたちん]




written by cow-boy




お・し・ま・い!