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刻一刻と近づくスタート時刻。 定刻の14時よりも30分早められての13時30分スタート予定。 私は私らのピット前でおもむろにコース全体が見渡せるよう持参した脚立に乗り、片手にストップウォッチを握り締め、指を掛け、押すその瞬間を固唾を飲んで待っていました。 無事にスタートしてくれ.....シゲチビ号第一走者のぴらっちと、魔ッハ号第一走者のじっぴ〜さんに念を送ったりして。。。 あたりには今までの喧騒が嘘のよう。ピーンと痛いほどに張り詰めた緊張感と共に恐ろしいほどの静けさが漂っていました。まるでそこにいる人達の心臓の鼓動が聞こえてきそうなほどに・・・。 ドクッドクッドクッドクッ・・・あ、こりゃ自分のだっ(笑) 。。。さぁ、そしてその時がきた。 スターターが旗を振り上げる。 振り下ろす。 スタート!! 各ライダー一斉に自分のマシンに向かってまっしぐら! 今までの静けさを突如打ち破る各マシンの咆哮! 2ストエンジンの奏でるパァーン☆というけたたましいエキゾーストノートと共に目の前を通り過ぎていく縦長に暴走列車のよう。
そこ退け!そこ退け!
30数台そんな魂の叫びがそこら中にこだましてます。
え?え?うちらのマシンは無事???
なんとか視界の中に見止め、両車の無事を確認。 全体の印象としては、やはり前回7月の雨中レースの時とは違い、今回は絶好のコンディション。当然ペースも速くなっていますが、転倒などのアクシデントはさほど見られず、まずまずの滑り出しという印象がありました。ぴらっちもじっぴ〜さんも危なげなく着実に自分の走行枠をこなしていっている.....かに見えましたが…。 「あっ!あそこ!」 誰かが叫び、指差したその先には・・・ ・・・インフィールド上、右コーナーでやっちゃってる魔ッハ号の姿が・・・。 寝ているマシンに駆け寄りすぐさま起こしているじっぴ〜さん。ほどなく再び走り出しましたが、そのままピットに入って来た時に備え工具類をスタンバイ。しかしそのままホーム前を駆け抜けていくじっぴ〜さん。どうやら大したダメージはないものと思われました。 ・・・そう、その時は・・・
それからの魔ッハ号は順調でした。無事に予定を消化していくじっぴ〜さん。
あちらこちらのブービートラップを掻い潜り、順調に自分の走行枠をこなしているぴらっち。ちなみにうちらは1人30分ごとの走行を2順して合計3時間とします。まず15分...つまり半分となった時点でサインボードで[15分経過]を知らせます。そしてラスト3分くらいになったら[L5][L4]・・・[L2][P IN]とボード出してライダー交代に至ります。こんなコース上のライダーとのやりとりも耐久レースならではの醍醐味ってところでしょうか。ライダーだけではなく、チームのみんなと頑張っているんだ!という一体感に耐久レースの楽しさがあります。 さて、ここいらへん.....特にシゲチビ号駆るJr2軍についてはほとんど語るところなしってくらいにコンスタントでありながらなかなかのハイアベレージを保ちつつ、周りでのドッタンバッタンを尻目にシゲ吉から今度は第三ライダーのま〜べりっくの手にシゲチビ号は渡って行ったのでした。そう、とりあえず「爆弾」の一発目は不発に終わったようで...(謎)
魔ッハ号も全く無事にRIDER_555さんから第三走者のDigit_kappaさんへバトンタッチ。問題なくコースへと復帰・・・ん?問題なく??なんか見ていると、ど〜もスピードがのっていないように思えるのですが…。なんだかスクーターにも置いて行かれているような気がしてならないのですが...?それは気のせい???
どうもDigitさんの走りも辛そう・・・。あ、カウルがガタガタしてる?!カウルが外れそうになってます。
シゲチビ号の方も既にま〜べりっくの手から2順目のぴらっちの元へ。 「あっ!あそこ!」 またしても誰かが叫び、指差したその先には・・・Part2! ・・・インフィールド上、右コーナーでやっちゃってる魔ッハ号の姿が・・・。
そう、前回と同じ場所で寝そべっている魔ッハ号。今回も他車との接触でやってしまったようです。 (((((≪*****ぢゅどーん!!!*****≫)))))
なにかがぶっ飛ぶ。
とりあえず復旧...というよりもカウルをマシンに乗せて走り出すも、やはりかなりのダメージは残っているようですぐにピットインしてきました。 えーぃっ!ガムテープぐるぐる巻きじゃぁーっ!
シートレールとシートカウルとをまとめてガムテープで何重にも巻いてなんとか固定しコースへと復帰していきました。
見ていても全く元気がないマシン。 どうも水が漏れているよう。
すぐにタンクを外し、ラジエーター内に補水する。
大掛かりに手を入れる必要性から一先ずマシンをピットロードからパドック内に押していきました。 あっ、ラジエーターホースが破れている・・・
なるほど、そこからの水漏れでオーバーヒートしたか・・・。しかしロックはしていないようなのでどうだろう...生き返るかな? ぷしゅっっっ! サイレンサーから湿気たアフターファイヤーのような音がしました。 それが魔ッハ号最後の一声でした。 プラグを換えてみたりあれこれみんなでよってたかってやってみましたが、もう二度と魔ッハ号の声を聞くことはできませんでした。
それでもみんなは最後の最後まで諦めず喧喧諤諤やっていました。 さていよいよ...2順目を無事に走り終えたぴらっち駆るシゲチビ号がシゲ吉待つピットロードへと入ってきました。 私は混合ガス2リッター入っているジョッキを手にスタンバイ。 マシンからぴらっち降りる。 続いてシゲ吉跨る。 私、鍵を給油口へ差し込み開ける。 中を覗く。 シゲ吉叫ぶ! 「要らない!Go!!!」 すぐに給油口を閉め、そのままコースへ復帰するシゲ吉。 完璧!ノープロブレム。 あとは任せたぜーっ! そうです、なんら問題なく走り続けるシゲチビ号。あまりに面白くないくらいに順調に。。。まさにピカイチの安定感。 だれかが持ってきた情報によると・・・シゲ吉走行枠でクラス1位になったらしい?!これにはとてつもないプレッシャーがま〜べりっくに襲い掛かる?!チェッカーライダー責任重大ってところで。ましてや、下とのその差約1周?!ワンミスが命取りであり運命の分かれ道ってところでしょうね。しかしそんな掛かっているであろう物凄いプレッシャーの片鱗を微塵も感じさせない整然と落ち着き払っている2軍の面々にはただただ脱帽。コンスタントにノーミスを徹底したその走りには見ているこちらは安心しきっていました。
結局あれほどこの1ヵ月強の練習の間大活躍だった「爆弾」も、この日ばかりはそのなりを潜め、ついには(((((≪*****ぢゅどーん!!!*****≫)))))...することなく自分の務めを果たしてしまうというなんともお粗末.....もとい、大躍進!!!あとは最終ライダーに全てを託して見守ろう。
こうして全て無事に最後の走行を終えたシゲ吉の手からマシンを受取ったま〜べりっくが少し傾き始めた陽射しを受けて最後の最後のコース上へと出て行きました。
シゲチビ号を送り出したあと、再び魔ッハ号の元へと戻ってみる。 遠すぎたチェッカー・・・
勝ち負けだけではないレースだってあるはずです。
あっ・・・そう。そうだったっ!
でもそれはもしかしたら拒否されるかもしれない。 すっかり着替えの済んだRIDER_555さんに私は言いました。 「ここのレースではマシントラブルなどでマシンが死んでしまっても、チェッカー振られた際にマシン押してフィニッシュラインを通過させればそれで完走扱いになります!」 言い終わるや否や、555さんの目に光が灯ったのを私は見逃しませんでした。 そうか・・・やっぱ欲しかったんだ、アレが・・・。チェッカー。
555さんはすぐさま踵を返し、マシンの片付けに掛かっているじっぴ〜さんの元へ飛んでいきました。しかし、しばらくして私のところへ戻ってきた555さんは苦虫を噛み潰したような顔で報告してきました。 それを伝えに来た555さんに私も「わかりました。残念ですが…」と。
まさにその時の私の心の中は、「阿修羅男爵」でした。 顔半分で笑って、顔もう半分で泣いて・・・。
なんとも超複雑な心境でした。 うぅ.....辛いところですじゃ。
今まさに熾烈な闘いが繰り広げられているコース上を見渡しました。 いかん、いかんよ!この人達をこのままで終わらせてしまっては!!!
私は急いで苦渋の英断をしたじっぴ〜さんの元へ行きました。 何をどのように伝えたかは覚えていません。とにかくチェッカーだけは受けさせてほしい!ひたすらに訴え掛けていたように思います。そんな必死の思いにすぐに理解を示してくれて・・・・・ よっしゃぁぁぁ―っ!ありがとう!
もう既に着替え片付に入ってしまっていた555さんの元へ駆け寄り、ん〜、今更とは思いながらも報告。すると「わかりました!」一言告げて動き出してくれたんです。普段着になってしまっていたのに、再び汗だくのレーシングスーツを引っ張り出してきて袖を通し準備を始めてくれたんです。 コースサイドでま〜べりっくの最後の走りを見守っているみんなにもそのことを伝えました。 「魔ッハ号、魔の3軍はチェッカーを受ける!」 「やっぱりね、ここまでみんなで頑張ってきたからね、なんとしてでもチェッカーは・・・・・・・・・」
ここまで喋りかけた瞬間、私の頭の中にはまさに走馬灯の如くこの一ヶ月ちょっとの間のいろんな出来事が蘇り駆け巡っていきました。あんなことこんなこと、まさに怒涛の如く...。 前回の3耐後、久しぶりにシゲチビ号に再会したときの秋ヶ瀬での走行、ありゃ暑かったよなぁ〜。思わずぶっ倒れるかと思ったくらい。。。 9月中旬の連休の時が初めてシゲチビ・魔ッハ号・赤ベコの3台揃い踏みだったよなぁ〜。こう言っちゃ失礼だと思うけど、あらまぁ〜お初の魔ッハ号って・・・きっちゃない(爆)夕方に綺麗な虹が出ていたっけ・・・。 10月に入ってからは毎週末はずっと湯河原通いだったよなぁ。よくまぁみんな都合を遣り繰りしながら頑張ったものだなぁ・・・。 あと、そういえばほんの一時期、チーム体制・運営を巡ってシゲ吉監督とやり合ったっけなぁ〜。あのときは危うく「インターネットの罠」に掛かるところでした。ほんの文字の行き違い。テキストだけでのやり取りの危険性を感じた一瞬でした。会って話せば何のことはない。やはり生会話は何より大事ってことを思い知らされましたっけ・・・。 今回レースに直接関係ない私も、付き合った練習走行では目標のタイムもクリアして次ぎの更なる目標も定まったことだし.....。でもたまに、なんでオレはこんなに毎週詰めてなくちゃいけないんだ?なんて、ちょいと見失いそうになったり・・・。 毎練習時に遠路遥々わざわざ応援に駆けつけてくれる仲間が代わる代わる来てくれたり、多いときでマシン4台ライダー9人なんて大所帯の時もあったかと思うとマシン2台にライダー2名なんてお寂しいときもあったり・・・。 とにかく今までいろいろと大変だったけど、その大変さもまた楽しかったりしたんだよなぁ・・・。 そしてその極め付けが、レース前日の魔ッハ号のブレーキを巡るあのドタバタ劇かな・・・。それだけに今回は魔ッハ号に対する思い入れが強かったりするのもそのせいかもしれませんね。
。。。と、そんないろいろな思いやら光景が頭の中に心の中に、丁度スライドショーのように次ぎから次ぎへと映っていったのです。そしたらもう何も言えなくなってしまって、言葉に詰まってしまって・・・。 スタンバイできた魔ッハ号とRIDER_555さんには、チェッカーが振られ、走っている最後のライダーが通り過ぎたら最終コーナーからコースインして、そのまま足で漕いでフィニッシュラインを通り過ぎて下さい、と打ち合わせしました。
さぁ、あとはシゲチビ号が無事にクラス1番目にチェッカーを受けるであろうことを信じ、そしてそれを実際に見届けるまでです。
「ラスト10分」の表示が出ました。
いきなり最終コーナー・イン側のタイヤバリヤーに車体を引っ掛けそのままバランス崩したマシンが一台、ドンガラガッシャン☆とひっくり返りコース上にっっっ ・・・シゲチビ号・・・?!!!
仲間内の誰もが予想したそのあとに続く悲劇の未来予想図には... 「あ"あああああああああああああ―――っ!!!!!」
声にならない叫び声。悲痛な雄叫びが周りで上がりました。
前方でマシンが転がり、コース上に逃げ場がないのを見るや否や、すぐさまランオフエリアのダートに逃げ、腰を浮かせ絶対にコケない態勢を取りつつ見事無事にコース上へと復帰していったのでした。それはまさにロスタイムを最小限に留めたというか、それしかない!ってくらいのまさに神懸り的な「奇蹟」でした。 とまぁ、結果的には無事にこの局面を擦り抜けられたわけですが、いやはや見ているこちら側にとってはまさに口から心臓が飛び出た瞬間でした。ホント、レースって終わってみるまでは何が起こるかわかりませんね。実感。
さぁさぁ、いよいよ「ラスト5分」が提示されました。
汗ばむ手を合わせ、お祈りポーズ。
フィニッシュラインのオフィシャルの手にはチェッカーフラッグが握られている。
時計を見る。 オフィシャルがチェッカーを構えている。 最終コーナー立ち上がってくるシゲチビ号&ま〜べりっく。 さ〜今、フィニッシュラインを通過する「我らJr」に栄光のチェッカーフラッグが振り下ろされました!!! 「やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 その瞬間、気付くと大声を張り上げ、固く握り締めた拳を2つ天に向かって突き上げていました。
「嬉しい!嬉しいよぉ!!」
さぁ忘れてならないもう一つの「栄光のチェッカー」です。
終わったな.....終わりましたな。
もうね、みんなの顔はくしゃくしゃでした。
え?え?オレらが一等賞?!...なんて感じのほんの少し途惑いも混ざっているようにも見える勝者Jr・2軍...ぴらっち・シゲ吉・ま〜べりっくの満足げな笑顔。
喜びに浸っている私らの周りでは他のチームの片付けがわらわらと始まっていましたが、うちらはしば〜らく余韻に浸っていましたっけ。 「スポーツクラス(SP50)優勝、RTサーキットのくらげJr!!」
(*^^)//。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆ パチパチ Jr2軍の面々、ぴらっち・シゲ吉・ま〜べりっくの3人がそのお立ち台の一番高いところに(申し訳なさそうに 笑)立ちましたぁーっ! なななんということでしょう!Jrとしての参戦2戦目でいきなりゲッチューしてしまった一番お高いところ!明日から何を目標にすればいいのやら?!...なんて話は置いておいて、と(笑)そうです、次なる目標は<<<連覇>>>です(きっぱり)。頑張れ!1軍の面々〜!(すっかり他人事 爆)
「優勝」と刻まれたトロフィーを手にご満悦な面々。 さ、さ、終わった終わった。 撤収、撤収。
まさに、ツワモノどもの夢のあと。
さて、すっかり夜の帳も落ち切った頃、片付け終わった私らはみんなで夕飯に行きました。
食事終わった私は、座ったまま気を失っていたようです。 はぁ〜〜〜、そんなわけで今回もいろいろあったモトカップですが、どうにかこうにか無事に私らの3耐もその幕を下ろせそうでした。転倒シーンはあったものの幸いにも一人の怪我人も出すことなく、それが一番ですよね。
さて、これでメンバー一巡した「サーキットのくらげJr」ですが、これで偶然にもレースの「上・中・下」を味わえたことになります。
さ、次ぎはどの位置?
今後「RTサーキットのくらげJr」の新たなる展開に乞うご期待!...って方向で。(^。^)v
心より感謝致します。ありがとうございました。 また次回も是非宜しくお願い致します。 次もまた、今回以上のワクワクドキドキ.....そしてハラハラをお届けすることをここにお約束致します。 で、願わくばもう一発!かましたろかっ、とね(笑) んじゃまた、レース場でお会いしましょう。(^_-)-☆
03,11,21
written by cow−boy |