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ピピピッ・・・(携帯メール着信音)
「帰れなくなってしまいました。明日は遅刻になると思います・・・。」AM00:31。 「ぬな?!監督が遅刻じゃ洒落にならんでしょ〜が(笑)。会社どこ?迎えに行ったる!」 「いや、それは結構です。それなら自力でなんとかします。」
そんな問答を繰り返した翌朝、ビーチサイドGP(以下、BSGP)のパドックには妙に遠い目をしている猫監が佇んでいました。職場から深夜のタクシー帰りでそのまま不眠準備を経てのサーキット入りだそうな。そんな猫監に頼まれた前日のお使い、「炭」と「カセットコンロのボンベ」と「おたふくソース」を手渡したのでした。
さて、そんなわけで「サーキットのくらげJr」今年04年ようやく2回目の活動がよりによって去年までの3時間耐久シリーズ戦の3回分をちまちま小出しは面倒臭いから1つにまとめちゃえーっ!的なものなのだろうかと本気で思ってしまいそうなのですが、「9時間耐久レース」なのですよ。 さて今回の体制は、走り手としましてはいつもの「Jr」衆の中からは「ぴらっち」「ま〜べりっく」「殿さま」の計3名。但しこれだけでの9耐はまさしく9時間の生き地獄と化してしまうでしょう。そんなわけで今回はそこのBSGPで知り合って以降なにかと面倒を見て頂いている超速にして常勝の強力兄弟ペア「RTレースに出ちゃうのなんでだろう?(以下、RTなんでだろう?)」の「えいさん」「ユースケさん」の御二方との強力タッグを組むことになりました。マシンもRTなんでだろう?のNSR50、これまた超速の#405号車にて臨む手筈です。 忘れてならないチーム名、「RT(前略)くらげ(中略)だろう?」(爆)なにそれ???つまり、「RTサーキットのくらげJrとジョイントしてレースに出ちゃうのなんでだろう?」ということらしい・・・(笑) そんな「RT(前略)くらげ(中略)だろう?」としていよいよ活動開始となったわけですが、湯河原からここ海老名に移転してからなにせ我々ここでの初走行が9耐決勝前週のたった一日だったりするわけでして、果たしてこんな急造チームで果たしてどこまで行けることやら・・・?なんてことはこの際ご愛嬌。つか、完全レースを舐めきってるぞコイツら・・・なんて攻めないでね(はぁと)
そんな5名を9時間回しつつ維持管理運営(笑)していくのが今回は「猫監」の中の人「みこやん」と私「cow-boy」です。が、しかし、足りないぜ”マンパワー”!求む、御助け人よ!!といつもの如く「Jellyfish」に協力要請なのです。きっと誰かが手を差し伸べてくれることでしょうと信じきっていたの・・・というか呑気に構えていたのでした。そしてそんな我々の期待はありがたいことにちゃんと現実になったりするわけで、そんなお仲間の温かい心遣いに感謝しつつ・・・思う存分こき使ったろ〜とニンマリするのでした(爆)。私がAM7時過ぎに到着したときには既に「じっぴ〜さん」「Mにゃん母さま」が。その後「ばったもん」「かず♪さん」「つきさん」「その御子ら」が続々
前日迄二転三転する優柔不断な天気予報にハラハラドキドキしながらも最終結論としては「天気は良さげ〜」な方向らしいのでホッとしました。なにせ長きに渡る闘いですからね、ずっと雨中ではとんでもなく辛かろう。しかしサーキットへ向かう車中で聞いた天気予報によりますと「前線が・・・・・で大気が不安定に・・・・・夕方遅くに雨が降るかもしれません」と?う〜む、降りによってはレインタイヤへのレース中のタイヤ交換もあり得るかも・・・。そんなことを頭の中でごにょごにょ考えながら車を走らせていました。
早朝よりピット設営をせっせとしていると程なく全エントラント召集後ライダーズ・ミーティングが始まりました・・・が・・・、いない・・・うちらのライダーが1人いない・・・。ぴらっち御寝坊さんにより ち・こ・く(ば・く・ろっ 笑)この期に及んで良い度胸です。頼もしい限りです。きっとやってくれることでしょう・・・なにかを(笑)。
いよいよ本日のレース進行が始まりました。 「自 分 の 足 で 走 る ん で す 。」
はい、本日の「予選」は15分間の「マラソンリレー」どぇすっ!
「本選は走らないんだから、予選は と う ぜ ん 走りますよね?」そんな目でみんな私のこと見るんですが、「あの〜、私3月末に足首の骨折ったばかりなのですが・・・」なんて口を挟める雰囲気ではなかったものでしっかり受諾致しまして・・・ま、なんとかなるでしょう。はっはっは・・・おいっ
「よーい、ドン☆」各馬一斉にスタート。 「予 選 3 位」
もうね、今日の私の役目は終わったと。
人をさんざん走りまわらせておいて、15分後にウォームアップ走行開始。
そしていよいよレース進行に入ります。
さ、行ってみましょうか・・・。
よーい、スタート!(あら、あっけない描写・・・) いくらあの「予選」からしてのあくまでも”お遊び系レース”を主催者が主張しようとも相変わらず単細胞生物的思考パターンによると「目の前のライダーは全てぶち抜きたい!」となるようで、9時間もの長丁場を考えればのっけからそんなに急いでどこへ行く?「前がいれば追い掛けたくなり、後がいれば逃げたくなる」のがいわゆる本能の赴くままのようです。やっぱ単細胞のようです。
さて、いよいよその火蓋が切って落されました9時間耐久レース。スタート早々まずブッ飛び出したのがまさにショップワークスとでも申しましょうか、某中国犬名のチーム。聞くところによるとライダー4名様の中の1人は、かの秋ヶ瀬と筑波1000だかのチャンプだそうで、こりゃもういきなり反則です(笑)。残りの3名様は見たところお子様系・・・なのですが、レーシングスーツの年季の入った様はこりゃただ者ではないことが容易に想像できます。もうね、戦う前から私、名前負けしちゃってます。 たかだか1周約30数秒程度のコースなので、ましてやあのトップの爆走ぶりにあっという間に周回遅れが現れてきて、こうなるとコース上ごっちゃごちゃでどこがどうなっていて一体順位は???もうわっかりませ〜ん。あとはひたすらコンスタントに走りながら9時間を少しづつ着実に切り落とし削り落として行くしかありません。大事なことは”9時間後”にどこの順位にいるかなのですからね。 いつもいわゆる自己責任というものを尊重し?比較的アバウトなレギュレーションなここBSGPのレース。なにせマシンの車検自体もありゃしません。あくまでも個々の最低限のモラル遵守により運営されています。そんな比較的アバウトな中にあって今回の9耐に際してのレギュレーションらしいレギュレーションといえば・・・。
●ライダー1人の連続走行時間は「20分」までとする。
●ピットエリアでできる作業は「ライダー交代」のみとする。それ以外の「給油」「マシン修復等の整備」は全てコース場外のパドックにて行なうものとする。
・・・程度のものでした。 さて、少なくとも上位・・・しかもかなりの上の方をキープしながらの快速を続けている#405号車。つかそれ以上に例のところは超快速ぶりを続けていますが、しかしここは9時間耐久。この先なにが待ち構えているかわかりません。その他チームへの”なにか”に期待しつつも(笑)、その”なにか”がこちらに降り掛かってこないとも限らないというまさに諸刃の剣。果たして、果たして・・・。
今のところまだまだなにも”なにか”は来てません。順調に、えいさん⇒ま〜べりっくへとタスキは繋がれていきます。えいさんに引き続いてのま〜べりっくの走りは「予選」でのハイサイド転倒の影響を微塵も感じさせない(実際はかなりの精神的ダメージがあったらしい…笑)くらいの激走ぶりです。周りでドンガラガッシャンやっているのを尻目に淡々と…とは言いませんね。あの走りっぷりはまるでなにかを振切ろうとしているかのように・・・ってなにを?(笑)
ま〜べりっくの次走者はユースケさん。
私は必要な工具を揃え、頭の中では作業の手順を思い描きながらジッとその交代の時を待ちました。
総合2位を引っ下げて、ま〜べりっくがピットロードへ入ってきます。 ふぅ〜、無事作業終了。
猫監と二人、自分らのピットへ上がっていくと、そこへ「ピピピーっ!!」 「オウ マイ ゴォーッド!!!」 はい、”なにか”が訪れた瞬間でした。 わざわざレギュレーション項目の前振りがあったので想像易しかと思いますが、そうです、いわゆるレギュレーション違反をした瞬間でした。 ●ピットエリアでできる作業は「ライダー交代」のみとする。それ以外の「給油」「マシン修復等の整備」は全てコース場外のパドックにて行なうものとする。
よほど舞い上がっていたのでしょうか?誰か気付いてくれよぉ〜〜〜と他人のせいにしたりする?(自爆)。す〜っかり微塵も頭の中に残っていなかった数少ないレギュレーションのうちの一つに引っ掛かりました。少なすぎるからレギュレーション自体の存在も忘れてしまうんじゃーい!とか逆ギレしてみたりする。 ほどなくするとオフィシャルの指示により再びピットロードに戻ってきたユースケさん。 このまま<<<3分間のピットストップ>>>というペナルティー。
うぅ、一時は総合2位まで上がったポジションが徐々に削り取られていく・・・。なんと3分間を長く感じたことか。 でもですね、例の爆走チャウチャウ号は結構至るところでオチャラケてしまっているようでお子様部隊がかなり他車と絡んでしまい転倒を多く見受けられるようになっています。ガァーっと爆走により順位大幅アップするも、一度ドンガラガッシャーンしてしまいバイクを下りるとやはりそこはお子様。なかなかバイクを引き起こせられずに大幅タイムロス。これって意外に盲点?イケル?イットク? つか、そのためにももう<<アホ>>はやらんこったな。自分を叱咤するのでした。 3分間のロスタイムを払拭するような快走ぶりを見せるユースケさんから次走者殿さまへとバトンタッチ。本人談による「抜けそうで抜けないブロック走行」を遺憾なく発揮。淡々と自分の20分間を刻んでいきます。そしてラスト走者のぴらっちへとマシンは託されていきます。まさに例の”なにか”からは何事もなく事が運ばれていきました。
”なにか”により一時は総合4位あたりまで落ちたような気がする順位もその後の順調ぶりに再び定位置へと返り咲きました。総合2位、クラス1位。このまま行ってほしいものです。が、比較的膠着状態が続いてくると人間みょ〜なものであれほど毛嫌いしていたものが再び恋しくなったり?・・・”なにか”(爆)
AM9時にスタートしたレースも2時間半が過ぎた頃、AM11時半。あまりの順調ぶりにすっかり忘れていましたっけ・・・「給油」(笑)。
用意した混合ガスは全部で7L。 ・・・ガスケツ寸前だったジャン・・・(汁)
やっぱ”なにか”には来てほしくないな(笑)。いやマジで。
presented by cow-boy。
2004,7,16 |