’02年9月1日(〜2日)
『日帰り4桁ツーリング』

改め?

『24時間耐久ツーリング!』
東京〜金沢・能登半島




= 1 =


念願の日本海を臨む。能登有料道・高松SAにて...ちょっと逆光f(^^;)




序章。。。

 中央フリーウェイ〜♪(by ユーミン)を口ずさみ、深夜の中央道を気持ちよく軽快に駆け抜けていく・・・・・

 み〜ぎに見えるは競馬場〜♪

 ひ〜だりは・・・・・・・・・側壁ぃ――っ!☆うわっ!危ない危ない頭がまだ寝とるわ。

 こちとら睡眠時間約1時間でぇ―っ!我が家のガキどもがうるさくて寝られんかったんでぇ―っ!・・・・・で、寝ぼけ眼、完全休業状態のオツムはあくまでも業務拒否を続けているわけで、ただでさえ頼りないオツムが全く働いてないんじゃ話にならん・・・そう、怖いの!怖かったのぉ――っ!(涙)。
 相模湖周辺のワインディングは何度壁に張り付きそうになったことやら・・・こんなところで終わってたまるか―っ!という一心でなんとか切り抜けたのであった(少々オーバーっす 笑)

 そもそも、な〜んでこんな思いまでして私が深夜の中央道をバイクで走っているかというと・・・・・そこに用事があるからどすな。はい。(・_*)\ペチ
 それは当たり前のこと。
 積年の怨みを晴らしに・・・もとい、1年前の約束を果たしに・・・まぁそんなところだろうか。
 約束とは・・・あれ?そんな約束したっけか?まぁそんなこたぁこの際どうでもいいのだが・・・
 約1年前のツーリング.....「日帰り800km 東京〜乗鞍〜白川郷」(⇒ツーレポあり)
 途中から大雨がザァーっと降りしきる中、空腹と疲労と睡魔と闘いながら、それはまるで苦行に耐え忍ぶ修験者のよう。そう、人呼んで「修行僧ツー」。しかし7名の勇者達はこの困難に打ち勝ち、見事無事完走と相成ったわけである。
 ところがそれで何事もなく幕を下ろせばよかったものを最終の休憩地、談合坂SAで誰かがつい口を滑らせたようだ。

 「やっぱ、800kmの次は・・・・・1,000kmですかねぇ」

 「1,000km」...なんとキリがよく、淫靡な響き。
 ん〜〜ソソルわぁ・・・(はぁと)

 なんてことから無事に800kmツーリングから生還してきた荒武者達の頭にはしっかりと「1,000km」という明らかなる目標がインプットされたのであった。




 正直なところを申すならば・・・

 あたしゃこのとき本当に企画しようなどとは全く考えてなかったのであった。ギャフン




 それから約1年の歳月が流れ、そして今年9月1日(日)。奇しくも夏休み最後のこの日。
 午前2時30分。
 某中央道、某談合坂SAに更なるパワーアップを果たした荒武者が集結す。




午前2時半のそこには。。。

 前日土曜の夜。
 23時30分就寝。
 0時30分起床。
 1時20分頃出発。

 中央道・調布ICから乗るべく甲州街道を西へ進む。
 途中、後ろから来たバイクが並走し、手を振ってきた。本日見送り隊で真紅のドカティ・モンスターを駆る[マサどん]だった。冒頭でもあるようにビビリモード全開だった私は中央道へ入りほどなくすると[マサどん]に先行してもらい引っ張っていってもらうことにした。そのお陰で側壁にへばりつくこともなく無事に集合地点へと辿り着けたわけである。

 ちなみに私は今回のツーリングで、実に約半年振りくらいに乗ることになろう・・・・・何にって、バイクにである(爆)
 今年の春先3月17日のクラブ・ツーリングの途上で事故り、左手親指骨折の憂き目に遭った。それからはその骨折治療・リハビリに専念し、これまでバイク自体に触れることさえままならなかったのであった。
 この間、様々な思いが頭を過ぎり、様々なことを考え、過ごしてきたのであった。事故を起こしたことにより各方面に多大なる迷惑を掛けたこと。やはり一番は家族に対してであろうか。一家の主が怪我をする。交通事故。しかもバイクによるもの。送り出す側にとっては恐らくもう止めてくれ!という強烈な思いがあるだろうことは容易に想像できる。
 それでも私は再び走り出す道を選んだ。
 家の者も諦めていた。どうせそうなるだろうと・・・
 私は誓った。絶対に不幸な思いはさせないと。

 そしてもう二度と事故らないと。

 そう、今回のツーリングでは絶対絶対絶対に、無事に帰ってくるぞ、と心の中で念仏のように唱えながら家を出てきたのであった。


 さて、談合坂SAに辿り着くとすぐにその足で併設のGSへと滑り込んでいった。
 そう、前回の800kmツーの際にはあわやガス欠か?!なんて思いをしたからその教訓から・・・。するとそこのGSのお兄ちゃんがなんだか不安げな表情を浮かべながらこう尋ねてきた。

 「暴走族に出くわしませんでした?さっきもここいらへんを100台くらいの集団が抜けて行ったんですよ。」
 「へぇ〜?そう。全然いなかったよ。」
 するってぇと、この先で止めちゃってるな。面倒だなぁ。突破するか?!...なんて思いを張り巡らせながらみんなが集まっているであろう二輪の駐車スペースへと向かった。えっと、確か参加者は7〜8名だったはず...と。

 むむむ?!げげげっ?!

 そこには20台くらいのバイクが乗りつけてあって・・・暴走族が集会をやっていたのであったぁ――っ!

 だが、どうも雰囲気が柔らかい。
 そう、まるでプニョプニョした「くらげ」のようだった。

 ・・・お約束のボケということで・・・(-_-;)

 ここはどこ?今何時?えっと、今日は何か定例のイベントか何か?!
 ...なんて見間違うほどのくらげさん達が二輪駐車スペースを占拠していた。
 どしたのどしたの、みんなどしたの?!.....どしたもこしたもね〜わな。あんたが変なことを言い出すからこ〜んなことになったんだろうに―っ!
 はい、すまんです。

 集合時間となり、1台また1台と元気なエキゾーストノートを響かせて続々と荒武者達が集結してきた。主催者でありながら、一体今日のメンバー・人数を完璧に把握していないドアホが一人。見送り隊の面々とごっちゃごちゃでもうわからんバイ。

 そうこうしているうちに、また元気なエキゾーストノートが・・・

 ん?・・・元気過ぎやしないか?

 しかも・・・多過ぎやしないか?













フォンフォフォンフォンフォン!バォンバォンバォン!あぃ〜〜〜〜ん!ベベンベンベン〜ブロロロロロロロロロ――っ☆パラリラパラリラパラリラパラリラ♪ぞうさんパォォォォォォ〜〜〜ン!うそぴょぉ〜〜〜〜〜〜〜ん♪ふぉんふぉんふぉふぉふぉんふぉふぉふぉん!













 GSのお兄ちゃんが言っていた暴走族の続編だった。

 そうこうしているうちに、そのゾッキー大集団は談合坂のSA内へ入り込んできた。そして遠目で見ていると先ほど私が給油していたGS周辺へ集結しているではないか?!

 さっきのGSのお兄ちゃん、ピ――――ンチっ!

 きっとビビリまくっていることだろう。ま、健闘祈るだぁよ(合掌)

 と、それはちゃちゃっと黙殺して、こちらもそろそろ出発体制に入ろうか。
 時間も午前3時を回ろうとしている。とりあえず全員集合で簡単にルート説明等のための「夜礼」を行った。
 全員の無事を祈り、そして自分の年老いた相棒の無事を願いながらセルボタンを押した。キュルキュルキュル…バォン……。あっちこっちで、バォンバォン。きっと我々全員がエンジンを掛けてヤツらに対抗しても、決して引けを取らないだろうなぁ…そんなことをポツリと思ったりする。ひょっとして一歩間違えればわれわれも?!とまぁそれはこの際置いておいて、と。
 さて、見送り隊面々の声援を背負いつつ、そろりそろりと本線上に向かっていったのであった。
 時間は午前3時を回っていた...と思う。
 さぁ、新たなる伝説の始まりなのだぁ。


ひ〜ふ〜み〜・・・数えたら22名の・・・暇人(笑)。大体こんな真夜中にこんな人数こんな場所に集まるか?!
ちなみにこの時のみんなの笑顔は、いわゆる使用前ということで…


 さて今回のドタバタ喜劇のオールスターキャストを簡単に。。。


かず♪さん@BMW R1150GS

びっとまん@CBR1100XXブラックバード

ばたやん@GSX1300Rハヤブサ

POCHIさん@BMW F650

あっちさん@CBR1100XXブラックバード

殿さま@Ducati 996

TAMAさん@VFR800

まーべりっく@TL1000R

ヨッシー@ZX-12R

みこやん@GSF1200S

JAY@CBR900RR

ダサMac@CBR600F4i

Kobayashiさん@GS1200SS
(メルマガ読者からの参加っす♪ 嬉)

cow-boy@GSXR750(但し、14年前の代物)



 以上の、スーパースターでこれからのSF冒険活劇を繰り広げていくんだな、これが。



目指せ松本ICなのだ。。。

 さ〜て、こんなところをいちいち細かくレポートしていては長くて堪らんからサラッといくぜよ、サラッと・・・(うげっ.....と、言っておきながら超長なの、今回。)


 パォ〜〜〜ン...と行って・・・

 めざスワ、諏訪すわ〜〜♪


 で、諏訪湖SAに到着なのだぁ。

 ふふふ・・・前回の経験がしっかりと今回実になって、ガス欠地獄の恐怖は味わわなくてすんだだわさ(前回ツーレポ参照)。そもそも、通常より「30km/L」も燃費の悪い走行って一体どんなの?!ちょっと奥様聞いて下さるぅ〜。このエコロジーの時代に全くもって、あぁもったいないっ・・・はいはい、ちゃちゃっと黙殺。
 今回は走行中に慌てて燃料コックを手探りすることもなく辿り着けた。インジェクションのみんなも、点滅する真っ赤な燃料警告灯の恐怖を味わわずに済んだようだ。
 ただ走行中、あちらこちらで真っ赤な閃光は浴びまくりではあったのだが・・・オービスの(爆)  

 ここ諏訪湖SAまで、[Mにゃんどん]と[マサどん]のドカモンペアが一緒に(?)走ってくれた。
 思わずこのまま拉致っていこうかと思ったのだが・・・
 見送り後彼らは信州はビーナスライン方面を流してきたそうだ。

 さて、そんなわけで、だいぶ空も白んできたぞっと。時間は午前5時を少し回ったところ。

 さて、次なるチェックポイントは・・・・・・はぃ〜???(^_^;;;




 ・・・・・白川郷・・・・・?




 とりあえず目指せ松本ICではなかったのかい?
 白川郷って、前回800kmツーリングの時の目標地点ではなかったっけ?

 もろもろ驚きご不満もあるでしょうが、はい、ちゃちゃっと黙殺。

 ルート説明するも、ツーマップル一体何ページ分やねん?!
 ここをこう行って、あそこをああ行って・・・説明されたって道中長過ぎて覚えきれんって!
 まぁいい、とにかくついてきてね(はぁと)




こんなに近かったのかぁ?!。。。

 最後の見送り隊と別れ、本隊隊員14名は諏訪湖SAを後にし、松本ICを目指す。
 岡谷JCTで長野道へ入る頃にはすっかり辺りは明るくなっていた。

 松本ICへ到着。R158をオーソドックスに乗鞍・上高地方面へ進む。
 ここいらへんは去年も通った道だから、その時を懐かしく思い出しながら走り続ける。単調な道ながら早朝の取締りが行われてないか慎重に歩を進める。
 「道の駅 風穴の里」通過(次回乗鞍ミー、集合場所につき要チェック!)。
 奈川渡トンネル内で、乗鞍・上高地方面とそうでない方との分岐。そうでない方でない方(爆)、つまり乗鞍・上高地方面へ進む。トンネル内の分岐故、ちとビビる。


分岐後の奈川渡ダム上で後続を待つ、の図


ダサMac…先立つ不幸をお許し下さい―っ!その手前でせっせと遺書を書くあっちさん&JAY(爆)

 さぁさぁ、ここからも容赦なくバビューンと行く行くだわさ。
 空は青いし、ツーリング日和として言うことないべさ。
 そう、ここいらへんではね・・・(謎)

 R158をひた走り、安房トンネル…は潜らずに安房峠へ本日最初のアタ―ック☆...ホントにまぁここは道が悪いね。
 にしても、安房トンネル開通してなかった頃はこんな悪路を観光バスなどは本当に走っていたのだろうか?!至難の技でっせ〜

 全員無事に飛ばずに峠越えし、平湯を通過。乗鞍スカイラインの入口看板を横目に見ながら通り過ぎていく。
 R158をそのまま道なりにトレース。高山の道路標識がちらほら見え始める。
 ますます威勢の良いお天道様が元気に空を駆け上っていく。
 こりゃこの先思いやられるなぁ・・・。今いるここいらは高地ゆえに日差しは強くても風が心地よく、サウナスーツ=革ツナギ姿でも事の他気持ちが良い。ところがどうやらこれから向かう先の金沢〜富山周辺のこの日の予報は日中35℃超らしい・・・(大汗)そんな予報はチェックしない!チェックしてたらこんなクソ暑い鎧着て来れない。しかし、この鎧のお陰でもしかしたら大事に至らなかったのではないか?!という輩が後に出現するとは・・・。まさにサバイバル?!


朝日が眩しい―っ!だってまだ7時過ぎだもん(驚)

 白川郷まで一気走り!...なんて言いながらも途中R158から県89高山上宝線に入る交差点角のコンビニへピットイン。とりあえず順調だったので小休止ということで。そう、ここまでは至って順調順調。

 15分くらいの休憩の後、今度こそ白川郷へGo!Go!
 県89高山上宝線がR41にぶつかったところで右折。古川町を目指す。飛騨細江でR471・472(一体どっちなんじゃ?)へ分岐していく。更に角川でR360へと進んでいく。
 ここまで来てしまえば白川郷までは目と鼻の先。天生峠を越えればもうすぐよん。これがまたこの峠、安房峠のような細くてタイトな峠道。な〜むぅ〜〜(合掌)
 そのR360は白川郷の玄関口で、R156とぶつかるからそこを右折。

 そして・・・・・ほどなく、前回800kmツーの時の終着駅、「道の駅 白川郷」に到着した。時間は午前8時ほんの少し過ぎ。そう、あの時はなんやかんやで四苦八苦し、昼過ぎにようやく到着したものであった。それが今回は午前8時過ぎには前回の目的は達成してしまったことになる。それだけ今回のスケールがでかいっつーか、無謀っつーか、おバカっつーか、頭悪いっつーか・・・・・酷いなぁ、そんな言い方ないじゃんかよ〜(一人でやってろっ 爆)

 名古屋のくらげ、[ぱとらっしゅ]どんの姿を目で追ったのだが、残念ながら今回は待っていてくれなかったようだ。(800kmツー・レポ参照)


まだまだみんなの顔には余裕の笑みが。前回ではこの時点でみな死んでいた。

 さぁさ、まだ余裕ぶっこいているうちにとっとと先を急ごうか。日本海はま〜だまだなのだな。
 そんなわけで前回終着折り返し地点を通過してまだまだ先へと足を踏み入れていく修行僧集団であった。




ツーリングマップルの嘘つきぃ―っ。。。

 R150飛騨合掌ラインをそのまま北上していく。
 「道の駅 上平」を過ぎたあたりの分岐で県54塩硝街道方面へ左折で入っていく。「ブナオ峠」を越えていくのだが、果たしてこの峠もどんな表情を持っているのだろうか・・・。えっとね、えっとね、ツーリングマップルではね、このルートって”おすすめルート”なのね。注釈にも『美しい渓流が印象的』♪まぁ、楽しみぃ〜(はぁと)




 どこがやねん・・・(-_-;)




 峠が近付き、道もどんどんタイトになっていくにつれて、な〜んだかいや〜な雰囲気なんだよなぁ。崖が崩れていたり、岩やら小石やらが道端一面に散らばっていたり、水溜りやら、涌き水が川のように道を横切って流れているし、おまけにガードレールがないその向こう側って・・・断崖絶壁だしぃ〜。これって高所恐怖症の人には結構シビレるだろうな、ってくらいのシチュエーションだったりする。否、高所恐怖症の人でなくともシビレるだろう。ちょこっとコケただけでもバイクは谷底へサラバっ!
 そして極め付けが、途中で道路を遮る「通行止め」の看板。思わず呆然自失で立ち止まってしまった。その「通行止め」の立て看板横の隙間から行ける通れるとばかりにTC Jellyfishの魔族の親玉でBMW GSを駆る[かず♪]さんが先陣切って突入していった。こちらはそれに追従していくほかなかった。
 そんな私の胸の内は、「オレ、道間違えてないだろうな。確か”おすすめルート”のはずだったよな。こんなところでミスコース、引き返しだったらきっとみんなに袋にされるだろうな…」結構ハラハラドキドキだったことは今だから言えるのであった。(^。^;)ホッ

 バイクの潜在能力と魔王[かず♪さん]の悪魔的なA級テクニックとの融合により、いやもうあ〜んな道からこ〜んな悪路まで・・・よくぞ容赦なく我々を引っ張り引き摺りまわしてくれましただわよ(笑)。うん、あれを見ていると、ビーマー良いな♪やっぱデュアルパーパス最強っしょ!...なんて思えてしまう。

 じゃかじゃ〜ん♪

 そんなわけで、[まーべりっく]ブナオ峠に散る・・・の図。

 そう、ついに餌食になった哀れな犠牲者が出てしまったりして。
 だれかやるだろうなぁ〜なんて思ってたりもして。
 それがまさかいつも冷静沈着な[まーべりっく]だったとは、二度おったまげであったりして。
 恐らくやるとしたら私か、さっきから私のケツをしつっこく突ついている[JAY]あたりかなと思ってたりして・・・(爆)
 後続を待つ為に県54の終着「刀利ダム」のトンネルを抜けたところで路肩に寄って止まっていると、後ろから・・・

 「まーべりっくさんがコケましたぁ―っ!」と、JAYが叫びながらやってきた。

 「え?!まーべりっく、後ろについてきてるジャン」と、私と魔王さま。
 JAYのすぐ後にまーべりっくが走ってついて来ていたので、え?ホントにコケたの?立ちゴケ?!...なんて軽く思ってしまった。
 なんか恥ずかしそうな照れ笑いを浮かべたご主人様を乗せ、停車したTL1000Rのピカピカな黄色の身体には、あららっ?!見事ガリガリ痛々しい傷跡が・・・。あぁもうお嫁に行けないわぁ―っ(涙)。大丈夫、私がもらってあげよう!(勝手にやってろっ)

 どうやら、あの超悪路の真っ只中でコーナーに差し掛かったところギアがニュートラルに入ってしまい、焦ってちょこっとFブレーキをあてたところそのままフロントからスリップダウンだったようだ。運が悪かったというか・・・逆にあんな「下手すりゃ谷底」的シチュエーションでコケてこの程度ですんで運が良かったというか・・・複雑な思いではあるが。
 しかし、ほらほらこういった事態を想定しての革ツナギが役に立ったということで。
 ・・・つか、こういったことは端から想定したくないものだが・・・

 というわけで、リアブレーキ・ステップ周りの不具合の応急処置と割れたカウル・ウィンカー等はテープぺたぺた。なんとか走行には支障がない模様。
 良かった良かった。こんなところで自滅してしまっては、一体この先の運命や如何に?!仮に身体が無事!でも、バイクが自走不能となってしまったらこんな僻地、こんな山の中、一体どうやって帰還すれば良いのだろう。例え電車で乗り継いで帰るにしても・・・車内での[まーべりっく]のツナギ姿が一層哀れを誘う・・・つか、恥ずかしぃ〜〜キャー


と、そんな中、爽やかに記念撮影の図♪ by かず♪@魔王さんなり〜。確かに走りも魔王だっ

 無事復旧できたことだし、気を取り直して更に慎重にまいろうぞっ!

 しかし、今回の[まーべりっく]号のコケは、これから先に待ち構えていることへの単なる序章、そして警鐘であったことを幸か不幸かこのときの誰も気付かなかったのは言うまでもない。きゃぁぁぁぁぁぁぁ――っ!

 さて先を急ごう。
 その「刀利ダム」トンネルを出てすぐ左へ折れる。県10金沢湯湧福光線を「兼六園」方面へ進む。出てきたよっ、ついに金沢を連想させる場所名がっ!
 そう、私の最初の目的達成はすぐそこなのだ。
 おぉ、金沢よ!待っていろよ、加賀百万石ぅぅぅぅぅ――っ!

 さっきのような超悪路は何とか擦り抜けたぞ。
 ふむふむ・・・ルートチェック。この先は・・・と・・・そう、このまま道沿いに進んでいけば間違いなく「兼六園―っ!」に辿り着けるはず。推測は確証に変わった・・・はず。

 ましてや、ツーリングマップルによると、例の”おすすめルート”らしいしぃ〜♪

 ちょっとこの注釈「採石場に迷いこむ」っつーのが気になるけど、まぁ大丈夫でしょう!
 うん、大丈夫、ダイジョー(^_-)vブイブイ

 快調にウキウキ気分で魔王さまの先導を仰ぎつつ、進んでいく一行。
 道端で対向から来たと思しきバイク乗りの集団十数台が路肩でぞろぞろと止まっていた。
 手を上げ、挨拶してきたので、おぉ!これぞバイク乗りとしての醍醐味!面識なくても擦れ違う一瞬の仲間意識だ。

 だが、その手を上げ、挨拶しているその笑顔の中になんとも言われぬそれだけでない何かが示されているような気がしてならなかったのだ。今思うとそれは、「え?!マジぃ〜?!(大笑)的なものだったかもしれない。しかしその本当の意味などその場に立ってみなければ体感できなかったであろうことをその時悟ったのであった。



















〜〜〜〜〜(m--)m でろでろ〜〜〜〜ん







































ツーリングマップルの嘘つき・・・(-_-;)






















大汗小汗。。。

 その不気味な笑みを後にしてほんの数十メートル。[かず♪]さんの後にくっついているといきなり視界が開けた。
 と、同時にこ〜〜〜〜んなダートが眼前に。
 平気な顔してそのままそのダウンヒルを煙もうもうあげて下っていく魔王さま。大抵の林道まがいの道でも付いて行くことは屁とも思っていない私ではあるが、しかしさすがに初めて危機を感じ、下り始める手前で停止したのであった。

 こりゃ今までの超悪路とは比較にならん。
 超超超あちょぉ〜〜〜〜〜な悪路であった。(オーバーだって!)
 ちなみにこの道はかなりのダウンヒル。オンロードバイクで下っていったらばそれはまるでジェットコースター。ブレーキは掛けられまい。
 大体ね〜、これが”おすすめコース”かっつーのっ!(`へ´)プンプン
 地方県道の恐怖をまじまじと体感したのであった。

 んなこと今更ブツブツ言っても始まらない。とにかくこの場をどうするか喧喧諤諤。
 この先がどうなっているのか[かず♪]@魔王さまが見に行ってきてくれた。どうやらこの走り出しが一番の難所らしい。ちなみにこのダート部分はこの先1km続いているそうだ。
 そう、この1kmを乗り切りさえすれば・・・・・・・


偵察してきて下さった魔王さま。まるで水を得た魚。その口元には笑みさえも


その反面、オロオロする面々。進むべきか戻るべきか・・・

 「決を採ります―っ!」
 「先へ進みたい人――っ!」

 「(^o^)/ハーイ!Uターンするの面倒くさいし、あとたかだか1kmでしょ?!」

 。。。とは、BMW F650を駆る[POCHI]嬢。今更ながら彼女の逞しさには男らしささえ感じる・・・(・_*)\ペチ

 「戻りたい人――っ?」

 「(ToT)/ハーイ・・・・・( ・_;)( ;_;)( ;_;)(>0<)ワーン」

 さすがの無敵ハヤブーを駆る[ばたやん]ではあるが、彼の涙ながらの訴えに心を打たれたというか、私の本意ではないが最初の目的地をほんの目の前にしながら後戻りをするという苦渋の選択をしたのであった。

 私個人的な希望としては、ここまで姑息にも無難にまとめ話題提供までに至っていない前回「800kmツー」でのヒーローだった[あっち]さん(800kmツー、レポート参照)にはここいらで是非何かいただきたいぞ、と思っていたのだったが・・・残念(爆)

 まぁ、今思うに、あの時勢いに任せて先へと足を踏み入れていたならば、きっと半数近くは「採石場」の岩と散っていたであろう。

 もしこのツーレポをお読みの諸氏で白川郷〜金沢のルートをお探しの場合、目先のショートカットと”おすすめコース”という甘い罠に惑わされての県54〜県10左折一路「兼六園!」のルートは決して素人にはお薦めできない(笑)。素直に県10を福光町経由での回り道をお薦めしたい。

 そんなわけでエスケープルートを探し、辿っていくことにした。

 さぁここから大Uターン大会の始まりであった。
 頭を下にして止まっているバイクをUターンさせるわけだが、これがまた至難の技であった。ましてや下はダート。誰かの手を借りないことには如何ともし難い。それもそのはず、魔王さまをもってしても、おっとっと・・・・・危ないところで僕(しもべ)の[びっとまん]に救出される始末。初めて拝んだ魔王さまの焦りまくている顔に、誰しもが「倒れてしまえ〜」・・・だなんて思ってませんって!アタフタ…

 なんとか無事に全員Uターン。
 ん?・・・いやまてよ?!つーことは、さっき通り過ぎてきた例のバイカー集団の前を再び通過していくのか?!
 げげっ?!こっちを覗いてるよっ
 は、はずかぴぃ〜(/。\)イヤン!

 わき目も振らず、ちゃちゃっと通過なり〜(笑)

 さっき左折した刀利ダムのトンネル出口のところまで引き返し、その分岐点から今度は県10を福光町方面を目指す。いやはや、ホッとする。こっちの”おすすめコース”はその名の通りどうやら平穏無事に通り過ぎることができそうだ。

 福光の駅近くで左折、R304へ入る。
 すぐさま迫る県27金沢井波線との分岐を左方、県27へと入っていく。このまま行けばついに金沢市街なり〜♪行き交う車の「石川」ナンバーが目立ってきた。あぁ、東京より遥か彼方、石川県へ来たんだなぁ…。日本海はもう少しだ。ここまでアッという間だったような、それでいて途方もない長旅立ったような。どちらにしても仲間あってこその楽しみに満ちた道中であったことには間違いない。
 さ、いよいよ最初の目的地へと突入しようか。
 県27を地図通りにそのまま進み、そうすれば自ずと金沢市街「兼六園」へと辿り着けるはず・・・で・・・あった・・・のだが・・・(汗)


 うぉーぃっ!こんなところで「市中引き回しの刑」かよ――っ!

 みんなの突っ込みが頭の中に浮かぶ・・・


 いやはや焦った焦った。
 地図通りに進めども、あれ?道が変わってる?!わわわわわからん・・・(^_^;;;
 後ろには13台も連なっている。そうそうルート確認の為に止まってられない。瞬時の判断=勘で道を進んでいくと・・・・・・・・・迷った。
 おまけに、そろそろ燃料残が心許なくガソリン補給の時期でもあった。
 んがっ!そんなことなど知ったこっちゃない。それどころではな―いのであった・・・・・大きな声では言えないが(爆)
 なんだかヘンピな高台へ出たぞ。周りには何にも目印がない。

 その時、一台の「金沢市」ナンバーのスクーターが目の前を通り過ぎていった。
 「きっとあっちが金沢市街だよ。」[かず♪]@魔王さまのお言葉だった。
 そのスクーターが去っていった方角を見てみる。
 お?!そっちの方角の空が何とも言えぬ青さを湛えていた。
 あれは方角から言っても、あの空の下には日本海が広がっているであろう。
 とにかく海を目指そう。

 どうやら確かに近付いてはいるようだった。
 しかしなんの確証もなく、道路表示もない。
 住居表示があったところで手持ちのツーリングマップルでは全く役に立たないわけで、ひたすら交通の流れを読みながら、本流はどっちへ向かっているか?で判断していた。つまり、言い換えれば、何の根拠もなくただいい加減に走っていたと言うことっす...これまた大きな声では言えないっす(爆)
 そのうちなんだか一方通行の多い住宅街に紛れ込んでしまった。地元と思しき車2台が自分らの前に連なっていた。その車に確固たる意志を感じたので(笑)そっちが市街と信じ、後に付いて行った。いきなり目の前で左右に別れた。・・・(-_-;)・・・え〜い、こうなったらどうにでもなれ―っ!いよいよ「市中引き回しの刑」本番であった。
 も〜ぅ、わからんっ?(°_。)?(。_°)?
 信号で止まった。
 おもむろに、バイクから降り、自分の前に信号待ちしている車の運転席の窓をコンコンッ♪
 怪訝な顔して窓を開けたそのドライバーに金沢市街への道を尋ねた。
 信号がすぐさま赤に変わってしまったので、右か左かの方角だけ教えてもらった。
 右へ・・・
 その車は我らと一緒の右へ曲がってすぐさま左の脇道へ入っていった。その曲がる間際に「市街はあっち!」と指を差して教えてくれた。
 ありがと―っ!...金沢の人が好きになったっ♪(笑)


 あったあった!道路標識があった!

 真っ直ぐ行けば念願叶っての「金沢市街」なり。

 さっきからどうも汗ばむ。
 これは道に迷っての冷や汗だとばかり思っていたのだが、どうやらそれだけではないらしい・・・。
 そうか、これが噂の・・・


 金沢市街 気温35℃


 やはり噂は本当だったかぁ・・・
 ちょっと待て待て―っ!今まで涼やかに感じていたお天道様が一気に敵に回った気がした。革ツナギがサウナスーツとしての本領を発揮しているようだ。みるみるうちに額からは汗が滴り落ちる。なんだか革が汗を吸い込みとても重く感じる。

 傍らにガソリンスタンドを発見。緊急ピットイン。
 小ぢんまりとしたGS内に、14台のバイクが大挙して襲来。いきなり占拠してしまった。おぢさんが一人でエッチラホッチラ給油に忙しくバイクからバイクへと渡り歩いていた。
 先頭の役得で最初に給油を済ませた私は速攻でGSの部屋の中へ涼みに入っていった。後から後から涌き出てくる汗に室内のエアコンなんて役立たず。傍らにぶら下げてあった団扇でパタパタパタ…。扇ぎ過ぎでまた汗を掻きそうだ。
 みんなも続々と避難してくる。外で給油を待っているみんなが気の毒に思えた。んがっ、自分はそれどころでない。気が付けば口の中には水分がない。自販機でスポーツドリンクを買った。ものの数秒で飲み干した。そしてまた汗がダァ――っ(^_^;;;

 全員が入れ終るまで30分くらい掛かっただろうか。
 中にはその間、洗車を始める輩。
 そんな中、目ざとく近所で「かき氷」を見つけてきた[POCHI]さん。みんなに2口づつのお裾分け。この2口のかき氷の美味さはこの日この時でないと体感できない極上のものであった。[POCHI]さんに大感謝なのであった。

 そこのGSから「兼六園」まではほんの少しで着くらしい。真っ直ぐ行った突き当り。
 時間は丁度昼を過ぎた頃。
 「クーラーが効いている所がいいよね。」
 「かき氷とかある所がいいよね。」
 ・・・ここまで来て、ファミレスでいいんか?

 GSのおぢさんに再度ルートの確認をして一行は再び灼熱の金沢市街へと乗り出して行ったのだった。
 ほどなく進むと見事「兼六園」に突き当たった。
 金沢の象徴的な所を訪れたことで、金沢制覇っ!...って、周りを素通りしただけやんけ―っ(笑)それでもいいのだっ(^。^)v
 金沢市街中心部を貫いて、県17金沢港線をひたすら「金沢港」を目指していた。
 この先の予定ルートは、このまま海沿いに出たら北上し、「内灘」から「能登有料道」へ入っていくつもり。とりあえず第二の目的達成はすぐそこであった。
 。。。と、その前に、

 飯だ飯だぁ――っ!

 ここまできたらなにか金沢の美味いものを食いたいな・・・
 クーラーが効いていて、かき氷を置いていて・・・
 でも早いとこ市街を抜けて目的地周辺までは行っておきたいぞ・・・  先頭を走りながら頭の中であれこれ思いを巡らせ、いろいろな店を物色して行ったのであった。
 行ったのであった。
 行ったのであった。
 行ったのであった。




 暑いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ―――っ!
 辛抱堪らん―――っ!




 信号待ちで私の隣に止まった[JAY]に、あの店でいい??

 と、思わず指差した店に、彼は首をヘッドバッティングのように激しく上下に振るのであった。


 某、おったまげドンキー・・・


 でかいぞ、ハンバーグ!
 これぞ、金沢の味ぃ――っ!


 嫌味かい・・・(-_-;)


 お互い我慢の限界。よほど”砂漠にオアシス”と感じたのであろう。
 有無を言わさず、とっととその店に滑り込んで行ったのだった。

 確かに、「エアコン効いてる」し「かき氷」もあるしぃ〜
 ばっちりでしょ?でしょでしょ?

 そんなわけで、金沢での美味しいランチは「エッグバーグ・ディッシュ」「びっくりコーラ」なり〜♪・・・お腹は一杯になった。はい。

 前日の睡眠時間約1時間。それから不眠ほとんど不休でここまで走ってきて、そろそろ魂が抜け始めた。気を抜くとあっという間にトリップしてしまう。同じテーブルの[みこやん]とか[POCHI]さんに寝込みの写真を撮られるが、その閃光にどうも行きの中央道、オービスの赤外線ストロボの赤い光りがフラッシュバックしてくる(笑)。

 時間はそろそろ午後の3時を回っていた。
 だいぶ日差しが西の方へ傾いてきていた。
 待望の日本海はすぐそこではあるが、急がないとこのままでは海を見てお終いになってしまう。意を決して再びまだまだ血気盛んなお天道様と対峙して行くしかないな。扉を開けた瞬間の蒸せ返るような熱気にほんの少し及び腰になったのは内緒の話である。







だらだら長いので(笑)、次へ つ・づ・くッ